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氷ノ山西高校野球部!  作者: \(^o^)/
第1章 第一歩!
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第1話

小柄な少女の真正面にボールが来る。


ボールが来た少女は怖がりつつもボールを取る・・・が零してしまう。


「くやしー!!もう一本こーい!」


4人しかいないグラウンドに甲高い声が響き渡る。


「今日も元気だな・・・」


その声に対し、そう呟いたのは氷ノ山西高校野球部唯一の3年であり一応監督兼キャプテンの田原雄二たはらゆうじ。地元在住で高校へは徒歩数分の距離。


今は守備練習中で雄二がノックをしている。


この氷ノ山西高校野球部は2年前の夏の大会が終わり新入生が入るまで田原一人で構成されていた。近隣の高校と組んで去年の夏と秋は大会に出場したものの惨敗。今年こそは一勝をしたい。そんなところに新入部員が入ってきた。


パシッ!


「やったあああ!取れたああああ!」


甲高い声の主は北山美悠きたやまみゆ。昨年から女子も公式戦に出場が出来るようになり部員として入部。鳥取市内在住で毎日2時間以上交通機関に揺られながら通学しているにもかかわらずずっと元気だ。


「はいはい、こっちに投げてきてね~」


優しい口調で送球を促すのは矢野蒼真やのそうま。小学校・中学校と親が転勤族という影響もあり各地を転々としていたが親が海外赴任することになり父方の実家の鳥取市内に移住。こちらは北山とは対照的でいつも眠そうだ。


「かんとくー校長先生がお呼びですー」


ふわふわした口調で来客を伝えに来た彼女は片山恵かたやまけい。マネージャー志望で入部したが部員不足であるため選手としての出場も視野に入れている。が、本人は気付いていない模様。町の中心に住んでいる。


「了解、すぐ行く。矢野ノック頼んだぞ。片山は捕球を頼む。」


「はい!わかりました!」


「ええー、ボール捕れないですよ~」


矢野は威勢の良い返事をするが、片山が少し文句を言う


「つべこべ言わずに早くやろうよ!!」


元気少女北山は早く練習したくてうずうずしているようだ。




入学式から早2週間。3人の新しい部員を抱えた田原は校長室までの道中悩んでいた。


悩みの内容は春季大会、そして夏の大会についてだ。

昨年の秋に連合を組んだ3校のうち2校の部員が合わせて9人になり連合から離れてしまい、もう1校の現在時点の新入部員と氷ノ山西の新入部員・マネージャーを入れても7人と春季が絶望的だということ。



コンコン


「どうぞ」


ノックをすると、野太い返事が返ってきた。


「失礼します。」


入ると目の前には氷ノ山西高校校長と見知らぬ少女が数人。


「さあさあ、よくきた。座って座って。」


校長がやや上ずった声で着席を促す。


「校長落ち着いて下さい・・・。それでご用件とそちらの方たちはどのような方なのでしょうか?」


田原は緊張をくみ取り校長の緊張をほぐそうとする。


「あぁ・・・そうだった。用件についてはまだ聞いていないんだった・・・。お話してもらってもいいですか?」


校長は少女達に丁寧に話しかける。


「はい!誠陵女子高校野球部2年生、今中夕貴いまなかゆきです!」

「続きまして同じく野球部1年生、紺野恵こんのけいです!」

「私も、野球部で1年生、原見蓮はらみれんです。」

「1年生、佐藤那奈さとうななです。」


少女たちの自己紹介が終わった。


「それで、ご用件は?」


田原が驚きつつも少し間を置いてから用件を聞いた。


「はい!誠陵女子と連合チームを組んでほしいのです!」


「はい!?」


田原は再び驚いた。


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