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似てる
コツ、コツ。
静かにゆっくり、教卓に向かって歩いていく細い脚と、身体。
私は、顔を見た瞬間、目を見開いた。
……え?
……………っ、え……?
「水上裕翔です。」
その穏やかな声にも、姿にも、足にも、瞳にも、全てに見覚えがあった。
上がった口角の、穏やかで優しげな微笑。
夢の中の記憶をすぐに思い出した。
ー優菜。
ー俺はね……………
夢の中で会った……男の子に……
似てる……………
目覚める時に聞いた、ふわふわした言葉。
ー俺はね……………裕翔っていうんだ……