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プロローグ

気付けば真っ白な世界。

俺は何かに座っていて、机を挟んだ向かい側に女性が何かに座っていた。


「どうも、神様代行の神様です」

「どうも」


突然の自己紹介。

思わず返答する。


「先ず初めに。貴方は亡くなりました。享年21歳です」


死んだのか。

21歳で、若いな。

俺が。

俺が?


「俺が?」

「はい」


「21歳で」

「はい」


「死んだ」

「はい」


















「落ち着きましたか?」

「まあ、何とか・・・」


説明によると、俺は死んで、転生のために今こうしている。

理解は出来ても納得がいかないが、現にそうなってしまっているため、納得せざるを得ない状況だ。

何より神様代行さんが冷静すぎて自分が混乱しているのが変に見えてしまう。


「では早速始めていきます、やることは二つです。異世界においての自分の能力値の振り分けと、異世界で役に立つであろう能力の選択。この書類に全部まとめられているので、分からない事があれば聞いてください」


テキパキと話す神様代行さん。

すっと一枚の紙を渡される。

そこにはSTR、DURといった能力値を示す言葉が書き記されているのと、固有スキルなるものがあった。


「能力値は今は全て0ですが、異世界に到達した時には自動的に貴方に見合った分の能力値が振り分けられます。今しているのはそれがなされた後に追加される能力値の振り分けです。まあ転生の際は赤子から始まるのでほぼ意味を成しませんが」


なるほど、ここに直接書き込むことによってそれが俺の身体に適応されるのか、凄い話だ。


STR(筋力):0

DUR(耐久):0

CON(体力):0

AGI(敏捷):0

DEX(器用):0

POW(精神):0

FOR(理力):0

INT(知性):0

LUK(幸運):0


HP(生命):0/0

MP(魔力):0/0


「振り分けられる値は前世の能力値を清算した数ですので、貴方様は110となります。HPとMPに関しては体力、もしくは耐久、理力、知性の変動によって値が変わるので、お気をつけください。そして成長促進というのもありまして、選択した能力値の成長度合いが変わるものです。これは5個分です。同じものにも振り分け可能です」


しかし直接振り分けられるっていうのはゲームみたいだな、こんなもの意図的に振ってしまっていいのだろうか。

そんなことを考えていると、心でも読んだのか、説明をしてくれる。


「貴方のいた世界では18ぐらいがせいぜい限界なのですが、異世界では大抵が20を越えています。なので自由に振らせてやるから何があっても文句言うなよ。ということです」


面倒だから自分で振れってのもあるだろうな。

そうと決まれば、早速振り分けてみる。

異世界は危険な場所だと説明は受けたが、何も自分から首を突っ込まなければ大丈夫だろうけど、一応自衛手段は持っておいたほうがいいと思い、器用さを高めに上げておく。


STR(筋力):15 成長促進:1

DUR(耐久):10

CON(体力):10

AGI(敏捷):15 成長促進:1

DEX(器用):20 成長促進:3

POW(精神):10

FOR(理力):10

INT(知性):10

LUK(幸運):10


HP(生命):200/200

MP(魔力):200/200


俺の基礎的な能力にコレだけの分が追加で入ることになる。

次に固有スキルとかいうヤツの選択だ。


「ではまず説明から。固有スキルというのは個人がそれぞれ持つスキルの事です。魔法とは違いますが魔力は消費します。固有スキルとは言いますが、他人と似ていたり、全く同じだったりすることは勿論あります。これが一覧で、選べるのは三つです」


一覧と言って渡された紙を見る、中々に種類が多い、いや多すぎる。 戦闘に関しては興味がそこまでないので、防衛に関することを主に見ていく。

そして選んだのはこの三つだ。


【致命回避】:命に関わることであれば何であろうと回避行動を取る。

【周囲観察】:周囲の状態を観察、記憶が出来る。

【弱体虚勢】:例え自分がどんな状態であろうと、再び立ち上がる。


自分が危機に瀕したときの保険だ。

【致命回避】と【弱体虚勢】は発動するときが限られているスキルで、意図的に扱うことは出来ない。

【周囲観察】は意図的に扱うことも出来るが、基本的には常時使用状態となっているらしい。

これで終わりだな、と伸びをした時に、神様代行さんが顔を近づけ小声で話しかけてくる。


「実は貴方の行く異世界にちょっと目ぼしい物がありまして、取引しませんか」


これ絶対黒いヤツだこれ。

突然の黒い話に顔が引き攣りそうになったが、別に既に俺は死んでいるわけであって怖いものなどなし、応じることにしてみる。


「ありがとうございます。異世界にはククの実というのがありまして、それを取ってきて欲しいのです。その代わりに望みを一つ・・・二つ、いや、三つ叶えましょう」


中々太っ腹な神様代行さん。

しかし望みとは何でも可能なんだろうか。


「何でも構いません。さすがに私が欲しいとかには答えられませんが・・・」


両手で顔を隠す神様代行さん。いや言わないよそんな事。

あとナチュラルに心を読まないで欲しい。

ふむ、何でもというのならば。


「ゲイボルグとかグングニルとかブリューナクとか欲しいです」

「分かりました、その三点で構いませんね」


適当に言った俺のお願いに、即返答する神様代行さん。

え、出来るの!?


「あの、出来るんですか」

「勿論です。複製にはなりますが本物に近い性能の物をご用意します。これにて契約完了ですね!では早速行ってらっしゃいませ!」


声と同時に身体が浮く感覚がする。

浮いてない、落ちているのだ。

不思議と恐怖は感じず、ひたすら遠くなっていく神様代行さんの姿を見ながら、一つ思った。


適当な事言わずちゃんとしたものお願いすれば良かった。

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