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伊勢崎ウェポンディーラーズ ~異世界で武器の買い取り始めました~  作者: 九重七六八
第16話 死神のバゼラード(バンパイア・キル)
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死神殺しの剣

今週、投稿できんかった。すみません。

で、今晩、一挙に投稿。クロアのお話、これにて終了。

扉を開ける。1階には誰もいない。正面に階段があるのみ。塔の壁に沿って続く階段は、7階まで続いている。フェルナンとクロアの戦闘力に恐れ入ったのか、それともこれ以上の損害は致命的と感じたのかケルン派の妨害は一切なかった。

 

少々、拍子抜けしたが黙々と進むしかない。おそらく、最上階の7階で決着はつくだろう。ここが現在のケルン派の本部であるならば、主要メンバーは揃っているはずだし、現在の棟梁として担がれているシンシアがいるはずである。


「ああ……。我が愛する妻よ。今、会いに行くからね」


「お父様、気をつけてくださいね。お母様はたぶん、普通の状態ではないよ」


 クロアはのぼせ上がる父親に釘を刺す。ケルン派が最後の頼みの綱とするのが母ならば、その力と戦わねばならないのだ。


「もちろん、分かっているさ。だが、私の愛で絶対に正気にさせてみせる。ああ……もうすぐ会えるよ。愛しのシンシア」


「中年のおっさんが色気つくと気持ち悪いでゲロ」


「そう言うなよ。10何年ぶりに奥さんに会うんだ。俺はその気持ちは何となく分かる」


 右京はそう言ったものの、これから始まるのは感動の再会ではないということは理解している。これまでのフェルナンとクロアの戦いぶりを見ていれば分かる。


 真性バンパイアのクロアの母、シンシアがその気になれば、とんでもない破壊エネルギーが生み出され、それがぶつかり合うことになる。巻き込まれたら大変なことになるだろう。

 

 7階にはあっさりとたどり着いてしまった。そこに最終目標が待っているはずである。フェルナンが扉を開ける。中にはケルン派の首謀者たちと椅子に座るシンシアがフェルナンたちを待ち受けていた。


「シンシア……私だ。夫のフェルナンだよ」

「……」


 蝋人形のような表情で全く動かないシンシア。その胸に光るペンダントは緑色の光を放ち、怪しく光っている。


「フェルナン・バーゼル侯爵。我々はお前が来ることを待っていた」


 首謀者の一人がそうフェルナンに告げる。バーゼル家に対して恨みを重ね、ずっと復讐に燃えていた連中である。


「我らの積年の恨みをはらす」


「待て!」


 フェルナンはケルン派のバンパイアたちに叫んだ。


「もうやめにしないか? ご先祖様がいがみ合っていたからといって、子孫が未来永劫いがみ合うなどとは馬鹿げているとは思わないか?」


「何を言うか!」

「今まで我々を迫害しておいて、それを言うか!」


 バンパイアどもは口々に非難する。だが、フェルナンは負けない。


「和解を望むなら私は王家に掛け合ってもいい。ケルン家のシンシアと私が結ばれて、ここに娘であるクロアと息子のマックスがいるのだ。もういがみ合う必要はないのではないか?」


 フェルナンの提案は的を得ている。ケルン派の財産も爵位も復活できるように、フェルナンは力を貸すという。その申し出は一部のバンパイアたちの心を揺り動かした。だが、それをフェルナンが履行するという保証はない。


「信用ならない。バーゼル家の直系であるお前の言葉など、信じられるか!」

「それなら、クロアの言葉はどうかしら?」


 黙って聞いていたクロアがそう口を開いた。クロアはケルン家とバーゼル家の血を引くバンパイアということになる。ケルン家にとっても後継者となり得る。


「現バーゼル家の当主の話も信用できるか!」

「全く頭が固いわね」


「無理でゲロ。そんなんで説得できたのならこれまでに和解しているでゲロ」


 右京もゲロ子に賛成だ。人間もバンパイアも同じ。感情のこじれで開いた穴は、そう簡単に修復できるものではない。100年以上もの間、いがみ合ってきた一族同士なのだ。ここで納得するわけがない。これは一度、どちらかが徹底的に負け、もう歯向かえないということを自覚するしかない。


 両方のやり取りを目を閉じて聞いていたシンシア。目をゆっくりと開いた。漆黒の髪と同じく黒い瞳。その容姿はクロアとそっくり。クロアは母親似であることが分かる。


「ならぬ。フェルナン・バーゼルは殺すべし!」


 はかなげな美しい姿からはおよそ似つかわしくない言葉が発せられる。シンシアの目がだんだんと赤く染まる。魔力を高めているのだ。


「シンシア、私だよ。フェルナンだ。正気を取り戻してくれ!」


 フェルナンの視線はシンシアが首から下げているペンダントに注がれている。意思を支配する恐るべきマジックアイテム『マインド・マリオネットの首飾り』。恐ろしいまでの力で愛する夫婦の仲を裂くアイテムだ。


「おお……凍てつく風よ! 逆巻く渦となりて我に従え……」

「その魔法は!?」

 

 それはフェルナンとクロアは警戒した。氷結系の上級魔法『フリージング』であったからだ。


 凄まじい氷の嵐が降り注ぐ。まともに浴びれば、体が凍りつき絶命に至る強力な魔法である。


「我らをその厚き魔法の殻で守りたまえ! マジックシェル!」


 クロアがすばやく唱えた魔法は、透明なガラス状の大きな貝殻。クロアにフェルナン、右京にマックスを包み込む。

 

 ザザザザッ……。氷の粒が高速のスピードでその殻に叩きつける。ガラス状の殻にヒビが入り始める。


「こ、これはもたないでゲロ!」

「危ない!」


 ヒビが無数に生じ、そこへ切れ目なく氷の粒が侵食。ビキビキと音を立てて、破壊されていく。


「わあああっ……」


 ついにマジックシェルが破壊された。クロアとフェルナンは両手をクロスさせて、自らの魔力を放出し、壁を作って耐える。この魔力の壁で右京とマックスは氷の粒によるケガは最小限にとどめることができた。


 だが、突風までは防げない。体の小さなマックスは吹き飛び、それを抱きとめた右京も飛んで壁に激突した。


「うっ……」


 衝撃が右京の背中から肋骨に達する。直接壁に打ち付けた背中ではなく、細い肋骨にヒビが入った。呼吸をする度に胸に痛みが走る。マックスは壁への激突によるケガはしなかったが、氷の粒による攻撃を受けた。それはマックスの服をボロボロに切り刻んでいた。


「マックス、大丈夫か?」


 右京は自分の懐でぐったりしているマックスに声をかける。返事はない。気を失っているようだ。だが、違和感を感じる右京。違和感は両手の手のひらから伝わる感触。


(ふに?)

(な、なんだ? この感触……)


(ふにふに……)


 小さい軟らかいもの。例えるなら、パン生地。小さい頃、母親と作った手のひらサイズに丸めたアンパンのような感覚。


 マックスのボロボロの上着。胸には白い布が幾十も巻かれているが、それも千切れて胸元が見える。それが右京の手のひらに奇妙な感覚を与えているのだ。


「ちっぱいでゲロ」

「お、女の子かよ!」


 どう見ても女の体だ。しかもマックスの頭を覆っていたバンダナが外れると、黒い髪が滑るように出てきた。それはマックスの肩に達する。


「生意気な少年と思ったら、少女でしたって、どんなお約束でゲロ」

「知らんわ!」


 今まで気がつかなかった。だが、それも無理はない。マックスの話し言葉は、高い声質はともかく、自分のことを『俺』と呼ぶなど、およそ女の子とは思えない言葉遣いだったからだ。


 仕草も女の子らしいところは全くなかった。確かに頭に巻いたバンダナや、小柄な体つきから考えれば、女である可能性は疑えたのだが。


「う、ううう……」

「マ、マックス、気がついたか!」


「う、右京さん……。お、俺は……」


 マックスはバンダナが取れたことも、胸が顕になっていることも気がついていない。だが、右京の表情を見て徐々に自分の状況が分かってきた。バンダナは取れて髪は露出。それだけではない。上半身は半裸。ちっぱいが見えている。


「わ、わわわっ……。右京さん、見るな、触るな、匂いを嗅ぐな」

「おい、見るなはともかく、後半の2つは濡れ衣だ」


 右京は自分の上着を脱いでマックスに着せる。事情を聞くのは戦闘が終わってからだ。シンシアの極悪な攻撃魔法に耐えたクロアとフェルナンが反撃を始めたからだ。


「シンシア、私だ。思い出してくれ!」


 両手を広げて無抵抗を示すフェルナン。だが、彼に向かって光の矢の魔法が放たれる。寸前で避けたフェルナンだったが、2本はかわしきれずに右肩と右足を貫いた。


 血が吹き出るが、その傷も不死の力でふさぐ。クロアは反撃したいのだが、母親を攻撃することはできず、周りのケルン派のバンパイアたちに束縛の魔法で身動きできなくするのが精一杯のようであった。母親は父に任せているようだ。


「我に近づくな! 近づけば殺す!」

「シンシア、お前に殺されるのならば本望だ」


 フェルナンは足を鳴らすとその瞬間に消えた。再び現れた時にはシンシアを抱きしめていた。キョトンとするシンシア。しかし、すぐさま、大きな口を開ける。2本の牙がニョキニョキと伸びる。フェルナンはそれを冷静に見つめると、口づけで防いだ。不意の口づけで戸惑うシンシア。フェルナンが口を離す。


「シャーッ」


 まるで怯えて相手を全力で追い払おうとする猫のような声を出すが、フェルナンは再びそれを口づけで中断させた。


「うっ……うう……わ、わたしは……」

「意識が戻った?」


 フェルナンはシンシアの胸に光るペンダントを引きちぎり、それを投げ捨てる。プツンと意識が途切れて崩れ落ちるシンシア。


「お父様、あれを!」


 クロアが叫ぶ。ペンダントから薄らと死神の姿をしたシンシアが浮かび上がる。黒いマントに身を包み、巨大な鎌をもつ女死神だ。


「ふふふ……。無駄だ。お屋形さまはアイテムに精神を支配され、最強の神になられたのだ。肉体を離れた今、お前たちにはお屋形さまは倒せない」


 クロアに束縛の魔法をかけられ、見えないロープに縛られて転がっているケルン派のパンパイアたちがそう勝ち誇った。どうやら、精神を支配するアイテムを長年身につけた結果、心がアイテムに吸い取られ、死神の姿へと変貌したようであった。


「そんなもの神とは呼べない! お父様、ここからが勝負よ」


 クロアは父に叱咤激励する。目の前にいるのは母の姿をした別物。母の魂を呪縛し倒すべき敵である。


「死すがいい! 愚かな娘よ!」


 シンシアが巨大な鎌を振る。フェルナンとクロアがその斬撃に倒れる。傷はすぐに回復するバンパイアであるが、この鎌の特殊能力が発動したのだ。それは麻痺。強力な魔力を誇る真性バンパイアですら動けなくする強力な麻痺だ。


「ダ、ダーリン……。逃げて……」

「シ、シンシア……」


 フェルナンは妻の名を口にして倒れ、クロアは右京に向かってそう声を振り絞った。いつも余裕のあるクロアではない。これは絶対絶命のピンチであると右京は思った。しかし、体は動かない。クロアを捨てて逃げられるはずがない。


「ちくしょう。死神、俺が相手になる!」


 右京は立ち上がった。勝算も何もない。ただ単に男としての責任感。意地で立ったそれだけだ。だが、その右京の思いに答えるかのように、腰に装備した5本のバゼラードが光った。


 そのうち、4本が勝手に鞘から抜けると、ものすごいスピードで真っ直ぐに飛んだ。それは瞬く間に死神と化したシンシアの両手両足を壁に縫い付けた。


「ぎゃああああっ……。抜けぬ。何故じゃ。なぜ抜けぬ!」


 巨大な鎌は地面に落ち、粉々に砕け散る。4本のバゼラードがシンシアの自由を奪う。右京は自分の右手に5本目のバゼラードがあることに気づいた。そして、それは右京に何をすべきか伝えていた。


(死神を殺す剣……)


 右京はバゼラードを抜くと走り出した。一直線に突き進む。それは死神の胸を突き破り、邪悪な魂を浄化したのであった。




「うっ……」

「気がついたか?」

「あ、あなた……」

「シンシア……。よく戻ってきた。私の愛する妻よ」


 邪悪な魂がバゼラードの力で浄化されて、シンシアの肉体に戻り、元に戻ったのであった。そっと妻を抱き上げるフェルナン。


「ダーリン。今回はお手柄だったね」

「びっくりしたでゲロ。主様が戦闘で活躍したのは初めてでゲロ」


 驚いたようにボーゼンとした口調のゲロ子。こいつにそう言われると、何だかムカつく。これまでだっていろいろ活躍したと右京は思ったけれど、あまりよく思い出せない。思い出せないが、右京は右京なりに活躍しているはずだ。(と思いたい)


「で、主様の活躍はその魔法の短剣のおかげとして、解明しなくてはいけない謎があるでゲロ」


 ゲロ子は右京の上着を来てへなへなと座り込んでいるマックスに視線を向ける。男だと思っていた彼が実は女の子だったことが判明したのだ。


「それは私が説明します」


 シンシアがポツポツと話し始めた。


「マックス……本当の名前はマグダリア。彼女は私の娘です。縁切り寺院トーケイで彼女を生んだ私は最初、記憶がありませんでした。自分がどこの誰とも分かりませんでした。手がかりは手にした5本目のバゼラードと首から下げた忌まわしき首飾りだけ。でも、私はマックスを女の子として育ててはいけないと思ったのです」


 純潔のバンパイア同士の結婚で生まれた子供の場合、女の子の方が価値があるのはバンパイア族の宿命だ。女の子は魔力に高い子孫を残せるからだ。落ちぶれたケルン家がバーゼル家に対抗できるのもシンシアがいるからこそである。


 彼女がケルン家にとっての最後の切り札と言っていい。そのシンシアが事もあろうにバーゼル家の当主と結ばれてしまった。その間にできた子どもは女の子。バーゼル家が安泰であるのに比べて、ケルン家は踏んだり蹴ったりであった。


 かろうじてシンシアを縁切り神殿から取り戻したケルンのバンパイアたちがマックスを女の子と知ったら、その利用価値を考えることだろう。そう考えたシンシアは、真の名である『マグダリア』を隠し、マックスと呼んで密かに『男の子』として育てたのである。


「うそだ。母様は嘘を言っている。俺は男だ」


 マックスはそう断言をする。しかし、男という証拠は何一つない。


「そのちっぱいは女の子でゲロ。それに男なら下半身に生えているものがあるでゲロ」


「違う。この胸のふくらみは脂肪だ。俺が甘いものが好きだから太っただけだ!」


「太ったでゲロか?」


 小柄なマックスには余分な肉は一切ない。


「母様はこうも言った。任務を果たせば、今は取って保管してあるものを下半身に付けてくれるって。これで俺も完全な男になれるんだ!」


 そう言い張るマックス。いや、もうマグダリアと呼ぼう。これまでの変な教育のせいで、へんてこに育ってしまったらしい。


「はあ……。これはクロアのところで再教育するしかないわね。あなたはマグダリア。長いからマリアって呼ぶよ」


「姉さま、そんなモロに女の子の名前は嫌だよ」

「姉さんの言うことが聞けないの!」


「だって、俺はおとこ……」


 そこまで口にしたマグダリアは口を閉じた。クロアの目が怖かったからだ。逆らったら、この最強の姉が何をしだすか分からないのだ。ちょっと前には首をへし折られそうになったこともある。


「はい。いい子ね。クロアに可愛い妹ができて嬉しいわ」

「ゲロゲロ……。何だか新しいおもちゃを手に入れたみたいでゲロ」


 クロアは新たな妹の教育する気満々である。こうしてマグダリアことマリアは、バーゼル家ではなくて、イヅモの町のクロアの元で暮らすことになる。最初はその方がいいかもしれないと右京は思った。自分は男と信じているマグダリアが、急に貴族のお姫様生活は無理だろう。徐々に慣らして行くしかない。




 今回のことでケルン派のバンパイアたちは、ほぼ壊滅した。降伏したバンパイアたちには寛大な処置をし、豊かな生活ができるようにフェルナンは援助した。長い年月いがみ合ってきた一族同士である。すぐに和解はできない。


 しかし、地道な努力がそれを徐々に溶かしていくことだろう。シンシアとフェルナンが結ばれたことは、和解への第一歩となるはずだ。その子供であるクローディアとマグダリアの存在もだ。


 バンパイアを抹殺すると言われた5本の短剣。それは2つの一族のわだかまりを葬る剣であったのだ。


「ダーリン。この5本目の短剣。バーゼル家の家宝として買うよ。ダーリンはいくらので値段をつける?」


「ゲロゲロ……100億Gでゲロ」


 クロアと右京のダブルパンチでゲロ子は吹き飛ぶ。さすがにそんな馬鹿げた値段は付けられない。が、普通の短剣でもない。バーゼル家にとっては宝物なのである。しかも、バンパイアを倒せる武器でもあるのだ。


「バンパイア・キルか……。貴重な武器だな。まあ、4本は元々、バーゼル家所有だし、売るとなると1本のみ。どうだろう……。10万Gでは」


 右京は思い切ってそう値段を出した。短剣1本としては破格な値段だ。このバゼラードが魔力もなく、バンパイア・キルではなかったのなら、装飾の美しさを評価しても500G~1000G。高くても2千G前後だろう。それを10万Gとはかなり吹っかけた。


「ふふふ……。さすがダーリン。王国の重鎮、バーゼル家の足元を見たわね。でも、甘いわ。その値段で買う客はまずいないよ。つまり、競争で高くすることはできない。バーゼル家が買わなければ、この短剣はそんなバカ高い値段では売れないということ……」

 

 クロアが買わないと言えば、このバゼラードは売れる適正金額2千Gとなってしまう。だが、右京は強気であった。クロアが値切るなんてことは絶対しないという確信。そして、10万Gと値段をつけた自分の査定への自信が右京を支える。


「俺は自信があるよ。君がこの値段で買うことは分かっているから」


「……この世界にあなたが来た時は、まだ駆け出しで正直、商売人としてはプロとは言えなかったわ。でも、今のあなたはプロだね。ダーリン。負けたわ。その値段で買うわ」


 クロアがそっと手を差し出した。白い細い手を右京は握る。いつもの冷たい手ではなく、今日は何だか温かい。


「懐もあったかいでゲロ!」

「おい、ゲロ子、いいシーンがぶち壊しだろ!」


収支

バゼラードの売却  10万G


支出

バゼラードの買取り 150G

修理代 300G

旅費  100G


差し引き 9万9千450Gの大儲け


「ゲロゲロゲー。儲け過ぎてお腹が痛いでゲロ!」





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