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魔法少女、お宅訪問

「あの、スマホを買ったので使い方を教えてもらいたいですわ!」


 それはユリに連絡先を教えてもらおうとして数ヶ月後のある日、魔法少女部での出来事だった。


「え!?まじ!?」


 先日ユリにスマホを持ってないと断られた俺は、スマホを両手で持つユリを見て驚きで目を見開く。

 てっきりユリの家ではスマホが禁止されているのかと思ったが、そういう訳でもないらしい。

 お嬢様だし、そういう物なのかなーと思ってた。


「今までは特定の誰かと仲良くなる事がなくて」


 そう言いながらユリはスマホを両手で包み込む。


「それに…ひろさんといつでとお話したいですし…」


 ユリが顔を真っ赤にして何か小さい声で言っているが、多分使えなくて恥ずかしいとかそんなとこだろう。


「そういう事なら任せてくれ!」


 俺は一にも二にも承諾、ユリにスマホの使い方を教えようと隣に座ろうとする。

 しかしユリはバンッと立ち上がる。


「あの、それで…良かったら今日、私の家に来ませんか?」

「…え?」


 ・・・


 魔法少女部の活動が終わり、現在俺はユリと一緒に下校している。


『どどどどうしてこうなったー!!』


 いや、嫌では無い、むしろ嬉しい。

 だがまさかこんな形で異性の家に遊びに行く事になるとは…。

 まぁ今俺は女の子な訳ですが、心は男なんだよ。


 しかしこれはお家デート的な感じにとらえても良いのだろうか。

 いや、ユリにそんな気持ちは無いんだろうけど、男としてはこのシチュエーションはそうなるのではないだろうか。


『おおお落ち着け、これだから童貞はだめなんだ!』


 下校中ユリが色々話しかけてくれているが、正直緊張で何を話しているか全くわからない。


「ひろさん、聞いてますの?」

「うん!?聞いてるよ!?」


 ヤバい、あまりに挙動不審すぎてユリに不審がられてしまった。

 ここは何か喋らないと…!


「ええと!ユリってお嬢様だし、やっぱ豪邸に住んでたりするのか!?」

「いえ、私はお嬢様という訳ではないのですが…」


 ユリは何か申し訳なさそうに、立ち止まる。


「ここが私の家ですわ」


 そこにはどこにでもある簡素な一軒家があった。

 お嬢様だからと言って、豪邸に住むという訳ではないらしい。


「豪邸じゃなくて申し訳ないですわ…」

「いや、なんかごめん」


 俺達はお互い何故か謝りながら頭を下げる。

 そしてユリと目が合い、なんかおかしくなって2人で笑う。


「どうぞ、あがってください」

「お、おじゃましまーす」


 俺は胸のドキドキが最高潮に達するのを感じながらユリの家に足を踏み入れる。


「ここが私の部屋ですわ」


 そしてついにユリの部屋に通されてしまった。


『あ、やばい、女の子の部屋だ』


 なんか可愛い物がいっぱいあるし、良い匂いがする。

 俺はドッキンドッキンしながら部屋をキョロキョロ、ユリに促されるままに座布団に座る。


「じゃあ私は飲み物とお菓子をとってきますわ」


 ユリはそう言いながら階下を降りていく。

 やべぇ、女の子の部屋に取り残されてしまった。

 これは深呼吸したりしても良いのだろうか?


 俺は1人深呼吸を試みる。

 うん、男のまま来てたらヤバかった。


「って、ん?何か視線を感じるような…」


 俺はユリの部屋を見回す。

 すると、ネコのような二足歩行の生き物がとてとてと俺の所まで歩いてくる。


 やだ何この子、可愛い。

 え?もしかしてユリのマスコット的存在?

 山本と交換して欲しいんだけど。


 俺がワキワキとネコのような物を撫でようとしていると、ユリがお盆両手に帰ってくる。


「あ、その子はマスコット的存在の斎藤ちゃんですわ」


 斎藤ちゃんって言うのか。

 いや、マスコット的存在の名前はなんでこう日本人なんだよ。


 俺はまぁいいやと斎藤の頭に手をのせようとする。


「可愛いでちゅね〜」

「気安く触るな小娘」


 ダンディな声と共にペシっと振り払われてしまった

 前言撤回、やっぱ可愛くないは。

 色んな意味で可愛くないはこいつ。


「我はユリのマスコット的存在の斎藤である、よろしくな小娘」

「お、おう」


 斎藤はダンディに葉巻のような物を取り出すと、くちにくわえる、ちなみに火はついてない。


 ええ…なんかやだぁ…。

 魔法少女のマスコットってもっとなんかふわふわーっとして、可愛い物じゃないの?

 すくなくとも田中のやつが言うマスコットはそんな感じだったぞ。


 俺が何かショックを受けていると、ユリがそうだと手を叩く。


「ひろさんの所にもマスコット的存在はいますの?」

「ん?ああ、山本っていうカバみたいのがいる」


 俺はユリに出されたお菓子を食べながら、山本について今まであった事の話をする。


「んで、あいつはとにかく生意気でさぁ」

「仲がよろしいのですね」


 ユリがクスクスと笑っているが、それは断じてない。

 あいつは本当に害悪でしかない。


「ってそうだ、今日はスマホの使い方教えるんだっけ」


 本来の目的を思い出した俺がそう言うと、ユリはいそいそとスマホを取り出す。

 俺はそんなユリの座っているベッドの横に座り、ユリのスマホの画面を覗きながら操作を教えてく。


「んで、これがこうなって、とりあえずこれでLINEの交換は出来たな」


 そうやって教えていると、ユリの顔が真っ赤になってる事に気がつく。


「どうした?顔真っ赤だけど」

「ええと、それは!その…」


 ユリは一瞬躊躇ったように首を振ると、何かを決心したようにキッとした表情を浮かべる。


「ん?どうし!?」


 ユリの変な態度に疑問を感じていると、俺はベッドに押し倒されてしまった。


「前、初めて会った時に言えなかった事なのですが」


 そう言いながら、ユリの顔が近ずいてくる。


「ひろさん…私…」


 え?何この状況?

 もしかして俺はここで童貞すてちゃう系?

 いや、今は処女なのか?

 ってそんな事はどうでと良い!

 まじか!?まじなのか!?


 俺は期待するように目を閉じる。


「取り込み中の所悪いがアニマなのである」

「「はいぃぃぃぃ!!!」」


 俺とユリは同時に起き上がる。

 斎藤がいる事完全に忘れてた。


「で、でわアニマさんを倒しに行きましょうか!」

「あ、ああ!そうだな!」


 俺もユリも顔を真っ赤にしながら、カクカク。

 なんかちょっと残念な気持ちだが、俺達は魔法少女で、悪いやつを倒すのが最優先事項だ。


 俺は改めて気を引き締める。

 しかしユリが耳元で静かに呟く。


「あの…続きはまた今度…約束です」

「あ、ああ」


 再び挙動不審になりながら、アニマ退治に向かうことになった。

とりあえず第2章終わりまでのネタだしは終わった…

あとは書くだけだ…

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