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「北米軍、敵影薄くポイントξ(グザイ)まで前進しました!」


「日本軍先鋒が撤退中とのこと! 敵集中攻撃によりポイントδ(デルタ)まで戦線を下げる見込み!」


「第一部隊、第二部隊、上陸完了しました! レーダー範囲に敵影は確認されていません、部隊展開します! 第三部隊、出撃開始します!」



 軍事作戦(キャンペーン)『アメノムラクモ』の発動からちょうど6時間。

 戦艦アドミラル=クロフォードの艦橋は慌ただしかった。

 いよいよ突撃部隊が上陸を開始し、第3部隊も突入を始めていた。


 司令官であるソフィア嬢は撤退に関する事項を綿密に組み込んだ。

 いざ突撃部隊が撤退をする場合。

 或いは突撃部隊が壊滅して残存部隊を撤退させる場合。

 友軍の戦況が悪くなり全軍で撤退する場合。

 いずれも弱者である残留部隊を中心として動きやすいよう指示を徹底していた。

 曰く「武様が脱出する算段は幾重にも組み込んでおります。ご安心を」とのこと。

 有難い話だけれど、そういった事態にならないことを祈るしかない。


 居残りの部隊長へ必要な指示を出し終えるとソフィア嬢が俺たちに向き直った。



「さぁ皆様! 魔王の首級をあげに参りましょう!」



 指揮を執るために使う金色の小剣を翳しソフィア嬢が歩き出す。

 行先は死地であろうにその足取りは軽い。

 先頭に立つ司令官。文字どおり『果敢なる令嬢』を地で行く尊い姿だった。



「よし相棒(バディ)、存分に暴れよう!」



 ソフィア嬢に寄り添うよう歩くのは結弦。

 銀嶺を腰に悠然とした姿は彼がこれまで積んで来た修練から来る自信故。

 その濡れ烏羽色の黒髪から覗く横顔が頼もしく見えた。



「これでおしまいにできるんだよね! 頑張るよ!」


「こら、待ちなさい! あたしから離れないでよ!」



 栗毛色の髪を揺らしながら駆けだしたのはリアム君。

 きっとこの戦いが終わった後のことを想像しているんだろう。

 まるで遊びに行くかのように楽しそうだ。

 それを窘めるよう、紅いウェブがかった髪を泳がせて追いかけたのはジャンヌ。

 相変わらず素早い動きでリアム君に追いつき腕を掴んでいた。



「わたしたちも行きましょう」


「ああ。必ず母体(マザー)を破壊するぞ」



 その後を歩むのはさくらとレオン。

 俺をちらりと横目で見る。

 俺はその視線に頷いて返した。

 ふたりは頷き返すと背筋を伸ばして歩き出した。


 さらにその後ろに高天原学園の生徒たちが続く。

 遠隔攻撃が得意な彼らは先頭を切り開く主人公たちの露払いが役割だ。

 実戦経験を積んでいるとはいえ、大きな戦いを前に誰もが緊張した面持ちだった。


 さらにその後ろ。

 この部隊の殿に位置する場所に俺はいた。

 ここは左右に展開する第一、第二部隊と、正面に展開する第三部隊の先頭に囲まれた場所。

 万が一にも敵が侵入して来るならいずれかの陣が突破されたときだ。

 そのときは腹を括ることになる。


 俺自身は戦闘能力が高くない。

 防御ができず、丹撃で強烈な一発をお見舞いするだけ。

 ケネスみたいな人間相手になら少しは戦えるけど、魔物みたいに素早かったり、数が多いと駄目。

 接近されて体当たりされた時点でジ・エンドになってしまう。

 このへんはアトランティスで嫌というほど身に染みて感じていた。

 だから最後尾で守られながら一緒についていくこのポジションに配置された。

 図らずも俺自身が当初考えていた魔王討伐の攻略方法に沿っていたわけだ。



「先輩、よろしくお願いします」


「ああ。俺から離れないようにして」



 そして俺はこっそり小鳥遊さんを連れ出していた。

 俺にとって最も優先度が高い事項だから。

 危険だとはわかっていたが譲れないことだった。



「小鳥遊さん、行こう」


「はい。あの・・・歩きながらで良いです、お話しても良いですか」


「うん、いいよ。緊張してんのか?」


「えっと。それは大丈夫です」



 戦地へ赴くというのにいつもどおりの雰囲気。

 黒の聖地(ブラック・ラグーン)のときのようなことはお互いになかった。

 アイギスの正体を知れて精神が安定したんだろうか。



「あのですね、呼び方を。名前で、美晴って呼んでください!」


「名前で・・・良いのか? だって俺、もうすぐ・・・」


「だからです! 少しの間だけで良いんです!」


「・・・わかった、美晴。頼むぞ」


「っ! はい!!」



 満面の笑みを浮かべる小鳥遊さん改め、美晴。

 俺が居なくなるってわかっていてもまだ、俺を意識してくれてるなんて。

 その想いに応えられることはしようと思った。



「えっと。美晴、もし魔物が見えたら俺にしがみついて」


「はい、わかりました」


「結界で守るには傍にいてくれるのが一番良いからな」


「頼りにしてますね!」



 美晴はにこっと微笑んだ。

 場に似合わずそれが可愛いと思ってしまうのは不謹慎だったか。

 嬉しいことがあったといっても、こんな場所で笑顔を浮かべられるのはすごい。


 考えてみれば彼女は中学2年生。未だ齢14歳の子供。

 庇護される年頃のはずの彼女がこうして俺や主人公たちと一緒にいる。

 成り行きがあったとはいえ並々ならぬ覚悟が彼女の中にあったことを窺い知れた。

 恐ろしささえも乗り越えて・・・早熟にすぎる。時代の為せる技か。



「これが終わったらちゃんと学校へ行くんだぞ」


「え~、先輩がそれを言いますか。親みたいじゃないですか」


「俺は良いんだよ。もともと大人(・・)だったんだから」


「ならもっとズルいです! 中学の勉強なんて楽勝だったんじゃないですか?」


「ええ、死ぬほど大変だったぞ? 高天原学園に入るまでガリ勉だったからな」


「あ、そうでした」



 俺と美晴は顔を見合わせて笑った。

 僅かな時間の他愛のない会話。

 先輩と後輩と、何気ない学生同士の日常を味わうことができた気がした。



「ところで美晴。アイギスとはどうなってんだ?」


「ええと、私の精神と同期? 同居? しているそうです。知識と権能はあって、その他は共用してるというか」


「う~ん? 多重人格ってこと?」


「あ~、そうじゃないです。もともとアイギスは人工人格でした。彼女はそれを捨てて、私の人格を使っているんです」


「難しいなそれ。知識と能力だけ小鳥遊さんのものになったってわけじゃないの?」


「なんでしょう。価値観って言うんでしょうか、それは彼女のものが残っているんです」


「ああ。確かに価値観って人格形成で重要な部分だな」


「はい。ですから、もともとの私の価値観が変わっちゃいました。えへへ・・・」


「ぅおい! それ、重大なことじゃねぇかよ! アイギス、何やってんだ!!」


「あああ、違う、違うんです先輩! 彼女は私の価値観を尊重してくれているんです。無理やりに変えられたりはしていません」


「じゃあ、影響を受けたっていうのは」


「はい。私が彼女の知識や価値観を知って、私自身が考え方を変えたって意味です」


「なるほど」



 強制的に価値観が変わってしまうのは問題がある。洗脳みたいに。

 でも小鳥遊さん、じゃない、美晴は自分で吟味して影響を受けた。

 それは会話をしているのと同じだろうと思う。

 もちろん、一方的に情報を与えられ、誘導されたのなら話は別だ。

 彼女を見る限りその様子は見受けられないので、きっとアイギスはそのへんまで配慮していたのだろう。



「・・・そういえばアイギスって女だったんだな?」


「女性だと思います。細やかな心遣いや慈愛に満ちた価値観は男性っぽくないですから」


「へえ。まぁそうか、人類を見守って来たわけだしな」


「・・・そう、ですね・・・」



 俺の言葉に憂うように元気がなくなる美晴。

 どうした、と目を見ると彼女はキッと、決心をしたような真面目な表情を浮かべた。



「あ、あの! 彼女は人類を我が子のように想っているんです」


「うん」


「ですから、人類が成長して文明を作り上げて、進歩していく姿に愛着を抱いていました」


「うん」


「それがもうすぐ終わりなんだなって思うと寂しいみたいなんです」


「・・・終わりか。終わるんだよな」



 そう、この戦いですべてが終わるはずだ。

 人類は古代人と決別して自らの文明で歩むことを選ぶ。

 だから古代人の息のかかったアイギスの役割もこの戦いまでだ。

 子が自立して家庭を持つときの気持ちのようなもんか。


 想像してみる。

 俺の子、剛や楓が自立して家を出ていく。

 静かになってがらんとした家で雪子と過ごす日々。

 やがて結婚すると式に呼ばれて、親へのスピーチがあるのだ。

 「お父さん、ここまで育ててくれてありがとう」って。

 俺は礼を言われながら花束を渡されて・・・。


 あ・・・・・・やばい泣ける。

 ちょ、待て。

 ここでいきなり目を潤ませるわけには・・・。



「先輩。アイギスは、その・・・見守りを終えるだけじゃなくて」


「あん?」


「消えちゃうみたいなんです」


「は?」



 消滅。人間で言えば死。

 え? どうして消える?

 美晴の中で同居してんじゃねえのか?

 巣立った我が子を眺めるくらいはしても良いんじゃないか?

 美晴の寿命まで同居してても・・・。



「え、どうして?」


「もともと、彼女は母体(マザー)に対抗するために作られたそうなんです。ですから母体(マザー)を停止させると彼女も停止してしまうみたいで・・・」


「それで消えちまうって・・・」



 消えてしまう。死んでしまう。

 彼女は自らが消えてしまうことをわかっていて俺たちを導いているというのか。

 いくら人工人格だったとはいえ、その運命はどうなんだろう。

 彼女と会話したことがある身としては単なる機械だと割り切れるはずもない。



「どうにかは・・・ならねぇよな・・・」



 ここまで来て母体(マザー)を停止させないなんて選択肢はない。

 人類が古代人から自らの力で立ち上がるための切符を、俺の我儘で止めるわけにはいかない。



「先輩。私も彼女のことは心を痛めてます。でも彼女はそれが嬉しいんです」


「嬉しい?」


「はい。ずっと見守るだけだった人類が自らの足で立ち上がるんです。嬉しくて仕方がないんです」


「・・・・・・そうなのか」



 きっとそうなのかもしれない。

 さっき俺の子供の結婚式を想像するだけで泣きそうになったじゃん。

 子の成長を喜ばない親はいない。

 例え自らの死と引き換えでも、子がそこから輝く未来へと飛躍していくのならば。

 それは何にも代えがたい喜びなのだ。



「そう、です・・・。ぐすっ、嬉しいんですよ・・・見守っていた彼らが()を必要と、しなくなるのは・・・」



 彼女は瞳を潤ませ喉を詰まらせていた。

 それがアイギスの抱く(・・・・・・・)感情によるものだと理解したとき。

 俺の呼吸が止まった。

 胸が苦しくなり搔きむしりたくなるほどの強烈な情動に襲われた。


 彼女(・・)自身から生まれた、自発的な感情。

 この地球上の人類の誰にも理解されず、誰にも知られることもなく、ただ孤独に、与えられた指示のまま、頑なに守り抱き続けた使命を果たしながら、初めて手にした人間らしさから生まれたもの。

 俺たちが前へと歩む足音にかき消されそうな小さな声で、初心な想いの欠片がぽろりと零された。

 それは、何よりも美しく、尊く、崇高で。

 夢想の果てに或る光り輝く理想郷に成ったひとしずくの小さな果実だった。



「・・・2億3千万年も、待ち、続けた・・・っ、んです。嬉しいに、決まって、います」



 ◇



 3月16日午後4時。

 欧州軍たる突撃部隊が上陸してから約3時間。

 これらは大した抵抗も受けず予定どおり北上していた。


 上陸地点より約20キロメートル。

 軍隊の進軍速度としては異例の早さだ。

 少数精鋭を意識して効率的に編成された成果だった。

 移動のためにスライドボード(反重力装置で宙に浮く板。南極のときにも使った輸送用ツール)を活用し進軍速度を上げた結果だろう。

 俺たちもジョグのような駆け足で2時間ほど進軍を続けていた。


 誰もがやる気に満ち溢れて士気も高い。

 仮に背後を取られても第二、第三部隊が転進すれば拠点である戦艦まで戻れる算段となっていた。

 このあたりはソフィア嬢の采配が輝いている。

 退路が確保されているという状況が士気を大きく支える役割を果たしていた。


 軍事作戦(キャンペーン)『アメノムラクモ』は、文字どおり天叢雲剣に例えられる。

 三種の神器のひとつ、八岐大蛇から引き出された伝説の剣。

 日本神話に語られるその凄まじい斬れ味を現実のものとすることを想定する。

 すなわち、敵を十分に引き付けた後に、突撃部隊を以ってして刀を思わせるその鋭い勢いで一挙に敵の心臓部を裂く作戦である。



『第一、第二部隊が先行し橋頭保を構築開始しました!』



 第三部隊は一時的に足を止めていた。

 PEから先頭付近の報告が伝わってくる。

 これらは本来、将官クラスにしか与えられない戦況にかかる情報だ。

 ソフィア嬢の計らいで俺は司令官と同レベルの情報を得られるようにしてもらっていた。

 主人公連中と聖女様やデイジーさん、アレクサンドラ会長に凛花先輩も同様だった。

 それだけ俺たちが重要視されている証左でもある。

 なにせ、俺が立てた作戦は「どうして知っている」と突っ込まれるレベルのものが多かったからだ。



『奈落内に敵影確認! 竜種です、赤、青、緑の3種です! こちらに飛来して来ます!』


「信号機かよ」


「先輩、交通信号は黄色です」


「そうだった」



 突っ込んだことに突っ込まれる俺。

 こうした軽口は精神を平静に保つ意味で良い。

 ふたりでいることが良い効果を発揮していると思った。



「先頭が到着したところは通称『奈落の穴』。蟻地獄状になっている中央の穴から無尽蔵に魔物が湧き出て来る地獄の入口みたいな場所だ。いよいよ心臓部に到達した」


「先輩の予習(・・)結果も素晴らしいですが、それを信頼して実行している皆さんも素敵です」



 ここまで計画どおり。

 手薄な魔物を第一、第二部隊で排し、主力である第三部隊に被害を出さず魔王の棲み処とされる『奈落の穴』まで到達していた。

 荒廃とした大地にクレーターのように開いた巨大な穴。

 穴の周囲は砂礫となっており、足を踏み入れればまるで蟻地獄のように崩れて中央へ寄せられてしまう。

 何も対策をせずに突っ込むと滑り落ちて、ジ・エンドだ。


 人類は第2回目の大攻勢、『希望の(ホープフル・)十字軍(クルセイダー)』でこの穴まで到達していた。

 底の見えないこの穴から魔王の一部が出現し、その胴体から魔物が生み出されているのが確認された。

 だがあまりの攻撃の苛烈さに断念し撤退へ追い込まれた、というのがその顛末。

 だからここに『魔王』がいるというところまでが、この世界の人類が把握している情報だった。


 俺はそこに様々な攻略情報を突っ込んだ。

 装備然り、戦術然り、戦略然り。

 どれも反則気味な内容だったので、作戦への反映にあたっては会長が長い時間をかけてシミュレートしたということにしてもらった。

 俺からの進言なんて言った日には一笑に付されて終わるのだから。


 まず、奈落の穴から出て来る敵は特定の大型の魔物しかいない。

 これは黒の聖地(ブラック・ラグーン)と同じ。

 今になればわかる、これは生み出した大型の飛翔する魔物の通り道なのだ。

 そのほうが効率が良いのでこうして穴を開けているだけ。


 そこから出て来る魔物は特定の属性付き。

 だから強力な対立属性攻撃を浴びせれば倒せる。

 ここから飛来する奴らは穴という狭い場所から出て来るので狙いやすい。

 構えていれば集中砲火でどうにかなるわけだ。

 第三部隊に遠距離攻撃ができる者を多く配置した理由がここにあった。


 部隊は湧き出る敵を迎撃しながら奈落へ進入するための設備を設置していた。

 第一、第二部隊が左右より奈落までチェーンを設置し、穴の入口に滑車を配置する。

 ここまで持って来たスライドボードとそのチェーンを使い、即席でゴンドラを作成する。

 これで落下せずに奈落に降下できるようになる。

 準備を終えたらこれを使って精鋭部隊、つまり主人公たちで突入し、魔王を撃破する。

 それがこの作戦の趣旨だった。


 ちなみにラリクエ(ゲーム)の攻略ではこの穴に突っ込んだら文字どおり落ちて死ぬ。

 体力を上げていれば即死はしない。

 だが大ダメージを受けたうえで魔王の目の前に落ちる。

 落下衝撃で体勢が崩れるので必ず魔王から先制攻撃をもらい死ぬ。

 要するにズルはできないという見せしめの罠だった。


 これを回避し、離れた岩場にある亀裂から地下へと潜るのが正規ルート。

 でもそこは大量に生み出された魔物がひっきりなしに出て来る道。

 何十連戦もして、その敵の排出路を突破しなければならないのだ。

 その連戦を無視するための反則ルートが、今、作っている方法だった。

 結果的にこれだけの動員をして、機材を持ち込んで実現した。

 それが俺のいちばんの成果だろうと思う。



『設置完了! 突撃準備願う!』


『第一、第二部隊、現況維持のため迎撃用布陣で展開せよ。第三部隊はSS隊の降下支援せよ』


『SS隊、参りますわよ!』



 ソフィア嬢の凛として勇ましい掛け声が聞こえた。

 SS隊とは、SS協定に参加した6人、すなわち主人公たち。

 俺は相変わらず第三部隊の後方で救護衛生班として待機していた。

 これならば俺と美晴は危ない目に遭わない。

 うん、計画どおり。


 いよいよ主人公たちが魔王・・・母体(マザー)へと挑む。

 ショートカットでいきなり魔王戦だけど、鬼畜な道中をマトモに攻略する必要はない。

 そしてそこに足手まといとなる俺が同行する必要もない。

 物語どおり主人公6人が魔王と闘うのだ。


 装備よし、コンディションよし、攻略情報よし。

 魔王がラリクエ(ゲーム)、あのシミュレーターどおりなら、これで負けるとは思えない。

 俺とアイギスが磨いた攻略情報が、ユグドラシルが準備していた防衛力とどれだけ乖離しているか。


 俺自身は傍観者のまま、最初で最後の知恵比べがここに開始されたのだった。






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