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~THE FOOL~
「何かお悩みでしょうか?」
人の良さそうな柔らかさを持った青年は
遠慮ぎみに語りだした
「実は、、、遺産の使い道を相談したくて」
古井の話によると事のはじまりは
このタロット堂かららしい
みゆきの祖父征之助と古井祖父は
古い学友であり
たまに小学生の古井少年をつれ、
タロット堂へ珈琲を飲みきていたらしい
たわいもない話の間に
タロットカードさわっていた征之助が
「古井よ、遺産を孫に遺しておけ」と
古井祖父と古井父は折り合いが悪く
その後しばらくして古井少年は引っ越し
別居となってしまった
祖父になついていた古井少年はたびたび
家を抜け出し、祖父に会いに行っていた
「祖父がなくなって、私にも祖父の遺産が
入って来たのですが、征之助さんが当時
『坊は、ええ使い方をするじゃろうて』
と言っていたのが引っ掛かっていて、、」
貯金するにも、使うにも悩んでしまったらしい
「それで、私の祖父を訪ねて」
うなずく古井
「コレをしなさい、とか断言はできませんが
なにかヒントになることは
わかるかもしれません、よろしいですか?」
「はい!よろしくお願いします」