~THE FOOL~
みゆきがパジャマで出迎えたのは
やはり時間どおり現れた
自称イケメン店主の隼人が
引き受けた例の占いのお客様らしい
こそこそ隠れて移動し
ダッシュで着替える
はめになってしまった
とりあえず
こちらは無収入で
あちらには三食握られている
当たらないかもしれないのに・・・
とにかく話だけ聞いて無理なら
珈琲を無料で帰ってもらおう
隼人の店だけども自業自得だ
意を決して先ほどのお客様の前へ座る
「はじめまして、みゆきと申します
・・・タロット占いがご希望ですか?
なぜ、ほかの本業の先生の所ではなく
うちに・・・?」
「私は古井と申します.
はい、占い専門店へ行くには
ハードルが高くて
お祖父様の時代に一度こちらへ
私の祖父につれられて来たことがありまして」
「そうだったんですね、
祖父はもう他界しておりまして、
今の店主は占いはしていなくて・・・」
シュンと、古井の肩が落ちる
隼人がすごい睨んでいる、こわーい
みゆきがあわててつけくわえる
「わ、私も祖父同様、趣味程度で
占うことはできます!
経験は少ないですが・・・」
古井は、ぱぁーっと表情が明るくなる
「ぜひ!お願いします!」
うんうん、と満足気な隼人
もう知らね、、、