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はじまりの夢
霧かかった白い部屋
老人の膝に座った幼女は楽しそうに足を揺らした
『みゆきや、じいさまは逝かねばならぬ』
ーイヤだ！じいさま！待って
膝から下ろされた幼女は老人を追いかける
『お前には才と力がある、
力があるものは動かねばならぬ
時が来たらわかるだろう
そのときは頼んだぞ 儂の代わりにな』
ーじいさまーーー！
じいさまは消え代わりにそこに現れたのは
釣竿を持った若者だった
話しかけようと口を開いた
ードッドドドドドドドドド！バアアーンッ！
「オラァ！みゆき！起きろくそニート！」
・・・センチメンタル崩壊
「・・・」
飛び込んできた見慣れた顔の男を
蔑んだ目で見ながら
みゆきは手元に異物感を覚えた
落ちている一枚のカード
ーあれ？なんで？
タロットカード『0:愚者～THE FOOL～』
０であり、始まりのカード
夢の中の老人は微かに微笑んだ
