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prologue
prologue
目の前に映るのは。炎。鮮血。亡骸。鉄屑。……絶望。
すでに自分の翼は原型を保っていなかった。
そして、見上げる。この場には似合わない真っ白な翼。そして髪。少女。
だが、その手に握られた剣には黒い血が。
顔がこちらを向く。その顔は、無理して笑っているようだった。
そして自分に向けられる言葉。
「 」
そこで自分はおびただしいほどの手にひきずりこまれる。
少女から遠ざけられる。
老人、若者。その手は汚れ、目は虚ろ。
あがく。白の少女に二度と会えなくなるような気がして。
だが、手の持ち主達がささやく。
-忘れろ、未来のために。
-捧げろ、ヒトのために。
聞きたくない。
また、少女から遠ざかる。
あがく。叫ぶ。手を伸ばす。
届かなかった。