エピローグ1
陽葵が隣村に移り住んで3年。陽葵は立派な女性に成長していた。
「母様、行ってきます。」
陽葵は露の東にある春という村に用事があった。
陰陽師の仕事が来たのだ。
受ける気ははじめなかったのだが、依頼人が女性であることを考慮し、依頼を受けることに決めた。
「行ってらっしゃい、最善を尽くしてね。」
「はい!父様の名に恥じぬよう頑張ってまいります。」
* * *
『主殿、本日の依頼は春という村の娘からのようです。』
「どんな内容だ?」
『屋敷にうろついている変なものを退治してほしい、とのことですが・・・』
「そうか。では、符をたくさん持っていかねばならないな。」
実はこの依頼、春という村の娘がだしたということになっているが、翠が神の力を使い、痕跡を消したうえで出した、偽装の依頼なのだ。
翠は毎日毎日どうにかならないかと頭を悩ませていた。
そして、この簡単なことを思いついたのだ。
”陽葵と秋貞に同じ内容の依頼を出し、引き合わせる”
陽葵がこの依頼を受けてくれるかどうかは賭けであったが、透視をした結果、受けてくれるとw買ったので安心した。
「では、参ろうか。」
『はい、主殿。』
秋貞のためになるかどうかはわからない。だけど、翠の心は最高に震えていた。




