第5話
いきなりですが、1000文字ぎっしり詰まっている小説は読みづらいですか・・・?
短い方がいい方もいますよね・・・。
話数の更新数はどーんと増えますが、できるだけ1話1話読みやすい文字数を意識して書いていきたいと思います。
これからもどうぞよろしくお願いいたします。
陽葵と秋貞は大海からほど遠くない村に到着していた。
「このあたりの村は木々はなぎ倒されているな。不思議な点は建物自体は全く被害を受けていないように見えるところだ。」
秋貞が村の状況を冷静に分析する。
「不思議ですねー。どういうことなんでしょうか。」
陽葵も秋貞と同じことを考えたらしく、首を横にひねっている。
そんなこんなしていると、従者の声が聞こえてきた。
「秋貞様、陽葵様。本日泊まれそうな宿を見つけてきましたよ!」
と、大声で叫び近づいてくる。
秋貞は今夜泊まる宿を従者のうちの2人に探しに行かせていたのだ。
「ここから半刻もたたない場所にあるのですが。今から行きますか?」
「みんな疲れているだろうから、そうしよう。」
「あちらの建物になります!」
と、従者が指をさす。その指の先にある建物は、薄気味悪く光っていた。
この宿の周りには木一本すらない珍しいたてかたがされており、建物自体も大海の被害を全く受けていないように見受けられた。
「何か罠がありそうな雰囲気がするな。」
秋貞は建物に近づきあたりを調べてみる。
「秋貞様ー、個々のご主人のような方が出てこられましたよ。今日泊まってもいいか聞いてきますね!」
と言って陽葵は、建物から出てきた人物に近づいていった。
「すみませーん、今日、私たち5名ぐらいいるんですけど泊めてもらうことってできますか?」
声をかけてみるが、人物からの反応はない。陽葵は聞こえていなかったのかなと思い、もう1度声をかけてみる。しかし全く反応は返ってこない。
おかしいと思い、肩をたたいて振り向かせようとする。
すると、
陽葵の手は男性の体をすり抜け、土につきつけられた。手は水をたくさん含んだ土を触ってしまったのでドロドロになってしまった。
(何・・・?今、体をすり抜けた?)
「陽葵、大海は天と地の境じゃないか。もしかするとその名の通り、こちらは”天”の場所ではないのか。
だから向こうからは俺たちの姿は見えない。ただ俺たちは皆多少なりとも陰陽の力を持っているから天の住民の姿を見ることができる。そう考えるとしっくりくるんだが。」
秋貞が陽葵に近づき見解を告げる。
「なるほど。そういうことですか。確かにしっくりきます。要するにこちらの世界は未開の地のようなものなんですね。ではやはり私たち陰陽師の出番のようです。普通の人にはこの方たちを見ることすらかなわないのですから。」
「この状況じゃこの宿には泊まれないな。仕方がないから徹夜で歩くことにしよう。1度都に戻ろう。」
「そうですね。この方と話す対策など練らないといけませんし、いろんなものも必要になってくるでしょうし。大がかりなことをする場合には陰陽助様たちのお手伝いもきっと必要です。」
「ここまでの足跡はしっかり残っている。・・・よな。従者1。ちゃんと道は地図に書き込んでいるな。」
いきなり声をかけられた従者1は驚きながら返事を返した。
(秋貞様が、自分でおぼえているわけじゃないのね・・・)
「さあ戻ろう。勝手に陽葵を連れてきてしまったから安倍の親父さんも心配しているだろうし、正次とやらにも会ってみたいからな。」
2人は順調に帰る計画を立てていた。周りにいた従者たちは、
「まだ歩けるのか、あのお2方は。鬼のような心を秋貞様はお持ちだな。」
なんてい言いたそうな顔をしていた。




