プロローグ
名称はプロローグですが、中身はいつもと変わらない感じです。プロローグって物語の説明をするところのようなイメージがあるんですけど、会話思いっきり入ってます。
おかしな話がこれからもつらーーっと更新されていきますが、お付き合いください。
「きゅ、求婚の文ですか?!」
大陰陽師、安倍晴明のひ孫、安倍陽葵はある文を父である安倍弘蔵から受け取る。
「正次からだ。3日以内に返事を書きなさい。」
-正次…まさつぐとは、ずっと昔に遊んだことのある幼馴染だ。でも、ここ10年くらい会っていない。
私が裳着の儀を6歳のころ行って以来。なぜそんな人が私なんかに求婚の文を渡すんだろう?
陽葵はそのなぞを解決するべく、正次からの文を読んでみることにした。
* * *
荒れ狂う波。天と地の境ともいわれる、大海。
その波は近くの村を軽々と飲み込む。
村人たちは亡くなった。遺体も流された。なにも残っていない。
生き残ったのは只一人。何もない中に立っていた。
生き残った人物の名前は、大内正次だった。
彼には頼れる人物がいない。そこで思い出したのは、ずっと昔遊んだ陽葵のことだった。
陽葵が阿部の家系の姫であることを思い出したのだ。
陽葵に頼らなければいけない自分を情けなく思った。だが、飢え死にはしたくなかった。
(安倍家で働かせてもらおう)
そう思い、昔の陽葵の顔をしっかりと思い出しながら、はるか遠くの平安京まで歩みを進めていった。
* * *
星の塔で占をしていた秋貞は国の異変に気付いた。
(何かが遠くの地で起こった。調査するべきか・・・?)
「秋貞様ー」
いいタイミングで従者其の1がやって来た。
「旅に行きませんか?陽葵様も連れて。」
(旅・・・?・・!!!!いいことを思いついた。旅を名目にして出かければ、陰陽寮からは何も言われないだろう!!)
そう、ちゃんとした依頼じゃないと、秋貞には回ってこないのだ。偶然回ってきたとしても、必ずだれか同行者がいる。邪魔をされずに仕事をするチャンスなのだ。
「秋貞様、よからぬことを考えてませんよね?例えば陽葵様の寝る姿とか。」
「・・・・!!!」
余計なことを聞いたせいでもろに妄想してしまったではないか。妄想した自分が恥ずかしくなり、顔がほてる。
「あ、やっぱりそうなんですね!」
「お、お前はーーーー!クビだーーーー!」
すっかりなめられている秋貞だった。
同時進行で、異世界に来ましたー出会いを見つけましたーも連載していますので、そちらもよろしくお願いします。




