第14話!!
ラストスパートだーーっ!
第1章は番外編を除き、あと3話で完結です。ありがとうございました。
第2章、番外編もよろしくお願いします。
陰陽寮に行った秋貞と陽葵は陰陽寮内が騒がしいことに違和感を覚えた。
「陰陽博士が作られた符がなくなったとは、なんということだ・・・!!あの攻撃符が出回ったら、人的被害が出てしまう!!陰陽寮内をくまなく探せ!」
そう叫ぶのは陰陽助の平清光。
「はい!!陰陽助様!」
と元気に若手たちが陰陽寮内を駆け回り符を探す。
昨夜、善則が陰陽寮から持ち去った符は、陰陽博士が作った最強の攻撃符だった。その攻撃符は最強と名がつくように、人だって妖怪だって、力を込めさえすれば簡単に殺してしまうことができる。善則ほどの力を持つものであれば、簡単に符は応えてくれる。
秋貞と陽葵は陰陽助に声をかけられた。
「秋貞、陽葵。実は、符を置いていた部屋に誰かが侵入した跡があったのだ。陰陽博士様を安心させるためにわざと探させているのだが、私は善則のやつが持ち去ったと考えている。」
「よ、善則様がもどってきているのですか?!」
陽葵が目を見開き尋ねる。
「多分な・・・。これから何かしでかすつもりだろう。何か善則が動き出す前に捕まえてほしい。頼めるか?秋貞と陽葵。」
陰陽助が2人に問う。
「しょうがないな。これはもとより俺たちが解決すべき仕事だろう。俺たちの現在の任務に大きく関係している奴だからな。」
秋貞は快くその仕事を承諾した。
* * *
「とは言ったものの、向こうから接触してこないと打つ手がないな。」
星の塔に戻ってきた秋貞と陽葵はどうやって善則と接触するか話し合っていた。
「あ、秋貞様!大切なことを忘れていました。」
陽葵が思いついたように顔を上げる。
「黒い道を作る術を先日、秋貞様は成功されました。その黒い道に私たち自身が入って西洋に行くんです!
そして、秋貞様はすごい陰陽師なので、占をするだけで人探しだってできちゃいますよね!妖怪だって探せるんですから!!」
その陽葵の言葉を聞いて、秋貞はぽけっとした表情を作る。
「今、まさに自分が陰陽師であることをすっかり忘れていた。その手があったか。よく覚えていたな陽葵。お前はどこぞの陰陽師よりも優秀かもしれない。」
陽葵は秋貞の天然度に驚いた。自分の仕事の話をしていながら、自分の仕事を忘れる人がこの世にいるのか、と思ったほどだ。
「なあ陽葵。これからも陰陽師仲間、仕事仲間として一緒に頑張ろうな。」
秋貞による突然の仲間宣告。女である私に一緒に頑張ろうと言ってくれた。
嬉しすぎて、涙が頬を伝い、ぼろぼろと零れ落ちた。やっとの思いで紡いだ言葉は、
「よろしくお願いします・・・!」
その一言だった。
秋貞はにっこりと笑みを作り、陽葵が泣き止むまで陽葵の頭をなでてあげた。
「さあ、黒い道を作るぞ。」
* * *
「善則!!やっと戻ってきた。」
幸世の目の前に現れたのは、数刻前まで日本にいた善則だった。
善則は陰陽寮から盗んできた符を懐から取り出し、幸世に向けた。
「何をするの?善則。その符はいったい何?!あなたが作った符ではないわね。」
「そうだ。陰陽博士が作った符だろうな。この力の感じ具合だと。力を込めさえすれば俺でも使えるようになっている、さすがだな。陰陽博士。ありがたい。」
そう言って、善則は手に持つ符に力を込め始めた・・・。
明日も投稿しますよーー!!!よんでねー