表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
女陰陽師   作者: 葉月
第1章 出会いの陰陽師
10/45

第8話

「何故お前、善則がここにいる!!」

「何故?俺も担当陰陽師だからいてもおかしくはないと思うが?」

「大姫様をどこへやった!!」

「さあ。知らないな。」

と善則は言い、高らかに笑う。

左大臣は、娘がいないことに驚き、腰を抜かし地面に崩れた。それを陽葵が強張った顔で支えている。

「俺が来た時にはいなかったよ。姫さんは。いなくなったのはお前ら2人の失態だな。情けない。」

と善則は、責任をすべて押し付ける。陽葵はその言葉にカチンときて、

「確かに私たちの責任です!ですが、善則様の責任でもあります!!」

と言い返した。秋貞はよく言い返した、と言わんばかりの目で陽葵を見た。

善則は陽葵が言い返したことに驚き、左大臣を見下ろしこう言った。

「大姫に会いたいか?左大臣。わけのわからないところに一人で寂しい思いをしているだろうな。慰めてやらないと。」

「な、!!やはりお前が娘をかくしたのか!!!!娘を返せ!」

「フン。そんなに会いたいのか。無様だ。いいだろう。あわせてやる!!」

善則は手に集めた気を放つ。秋貞は急いで結界を作り始めるが間に合いそうにない。

それを見て取った陽葵は、左大臣の前に出、善則の放った気を受けた。

「!!」

「陽葵ーー!!」

秋貞が叫ぶ。善則はニマニマと笑んで、黒い不思議な道を作り出す。

「この中にいる。勇気があれば来るんだな。」

と笑いを残し立去った。秋貞は陽葵に駆け寄り、陽葵を起こす。

「大丈夫か?!」

「私は大丈夫です。何とか。それより追いかけなきゃ・・・!」

逃がさない、と言い残し陽葵は黒い道めがけて走って行った。秋貞は止めるが、それを振り切った。

陽葵は黒い道に入り、道は閉じた。秋貞と左大臣はその場に取り残されてしまった。


「大丈夫ですから!!!」という陽葵の元気な声が聞こえてくるような気がした。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
このランキングタグは表示できません。
ランキングタグに使用できない文字列が含まれるため、非表示にしています。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ