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~雨の日の傘と長靴~ そして放課後の習い事

今日は雨の日。私は赤い傘と長靴のコーデで水溜まりにバシャン!

放課後は社交ダンスと華道の習い事です。

帝鸞学園(ていらんがくえん)での生活にも()れてきて4月ももう後半。今日は雨の日です。私はお母様に言われた通りに赤い傘を刺し、赤い長靴を履いて執事(しつじ)高尾(たかお)が待つ車に乗りました。

学園の正門で車を降り、初等科の校舎へ向かう途中、朱梨(あかり)ちゃんと桜子(さくらこ)ちゃんに会いました。

最初の頃は、あまり気づいていなかったのですが、朱梨ちゃんと桜子ちゃんが親友というよりも私の()()きのような感じになっているようでした。たしかに、城常院(きじょういん)家の家柄や財力は姫峰会の中でもかなり上位ですが、6歳でそんなことを気にする二人の処世術に驚きました。(^-^;


そして、授業が始まりました。一時間は国語、「言」「高」等の漢字を習いました。二時間目は算数、やはり足し算と引き算です。算数セットというオモチャのような教材が面白かったです。

そして、3、4時間目は生活科です。今日の生活科では、温室に行き、好きな植物を観察し、それをスケッチするという内容です。みんなカラフルな傘と長靴で温室に行き、スケッチを始めました。

私は、残念ながら絵が苦手です。なので定番のタンポポを描きました。できるだけ手短に切り上げ、私と同じく絵が苦手な朱梨ちゃんとお話をしました。

桜子ちゃんは、とても絵が上手で丁寧(ていねい)です。とてもうらやましかったです。


そして、給食もトリュフのスープ等を美味しくいただき、お昼休みになりました。

すると朱梨ちゃんが「せっかく長靴を履いてきたのだから水溜まりで遊ぼう」と言いました。桜子ちゃんは「お外は寒いから…私は遠慮します」と言いました。しかし私は、「面白そうね♪私も行ってみますわ」と答えました。そして私と朱梨ちゃんは長靴を履き、傘をさして、人気(ひとけ)の無い体育館の裏で手を(つな)ぎ水溜まりでにジャンプしました。

バシャン!と着水。思ったより深く、私と朱梨ちゃんの靴下はびしょ濡れになってしまいましたが、とても楽しくて 二人とも笑顔でした。

その後、濡れた靴下のままではお母様にしかられるので、放課後に迎えに来る執事の高尾に替えの靴下を持ってきてくれるようにメールを送りました(^-^;


そして、その日の放課後は、(リトル)姫峰会のサロンでおやつにキャビアを食べ、習い事に行くため、そのまま高尾の待つ車に乗りました。

上流階級のお嬢様は、ランドセルを家に置いて友達と遊びに行く…何て事はありません。誘拐(ゆうかい)等の防犯目的もかねて、必ず運転手付きの車で習い事に向かいます。車には習い事の道具がのせてあり、お嬢様は自分で重い荷物を持つようなことはありません。

今日の習い事は社交ダンスと華道です。

社交ダンスは、相手の2つ年上の男の子がやさしくリードしてくれて、とても楽しいのですが、問題は華道です。

あれは、センスが問われるので、タンポポの絵も上手く描けないような私にはとても難しいのです。

なんとか無難な感じに仕上げたのですが、華道の先生に「ここはこうしたほうが見映(みば)えがいいですね」「ここはこの花のほうが統一性がありますね」など、つぎつぎと変えてしまいます。結局私が生けた部分は、ほとんど無くなり、全く違った作品になってしまいました。先生、出来の悪い生徒ですいません。

何だか…悲しくなってきました。


「ただいま帰りました」と城常院(きじょういん)家の屋敷に帰ると、リビングには部活から帰ってきたお兄様がいました。

お兄様は、私より8歳年上で、現在中等科3年生です。部活は弓道部で、週に何日か活動しています。

そして、私はお兄様に今日の出来事を話しました。

水溜まりで遊んだこと、社交ダンスのこと、そして華道のこと を話しました。華道が上手く出来なかった事に対してお兄様は、「妃袈(ひめか)はとてもいいセンスがあるよ。ただそれを理解できない人がいるだけだよ」と定番の台詞(セリフ)で優しく同情してくれました。

お兄様も弓道部で今日はいつもよりいい結果が出せなくて落ち込んでいました。そんなお兄様を元気付けようと、テーブルの上にあった新聞紙を「扇の的」に見立てて、「この扇を射てごらんなさ~い♪」と言いました。するとお兄様は「那須与一だね。妃袈(ひめか)は、難しい事を知っているんだね」と言いました。

……世間一般の小学1年生の知識のレベルがよくわかりません。


そんなお兄様との楽しい時間を過ごしたりして、その日も就寝(しゅうしん)の時刻になりました。

名残惜しいですが、次回もお楽しみ下さい。

皆様、次回もお楽しみ下さい。

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