第7回
斎木がリビングのソファで突っ伏して寝ている。時刻は夕方で、平日の社会人が寝ているような時間帯ではなかった。
「…うーん、寝ちゃったか」
ゆっくりと目を覚まし、斎木は両手をあげて伸びをした。
ロボはまだ帰ってきていないのかな、と目をこすり、ソファから立ち上がろうとしたところで玄関が音を立てて開いた。
「ただいま!」
「ああ、お帰りロボ」
学校帰りのロボを斎木が出迎える。
「体調は大丈夫ですか」
今朝方、ロボが出掛ける時にも斎木は連日の徹夜がたたり、倒れこんで寝てしまっていた。
ロボが学校へ行って帰ってくるあいだずっと、眠り続けていたことになる。
「うん。迷惑掛けたね。朝ごはんと学校は?」
「オールグリーンです」
「よかった。じゃあ晩御飯を作ろう」
「うん。あ、ちょっと待ってて」
ロボはランドセルを置いて台所へ向かい、手を洗った。
それから冷蔵庫に入っていた、ひとくち大のかぼちゃを取り出す。
「高瀬さんに料理を教わったんだ」
言いながらロボはかぼちゃを深皿に入れ、醤油、砂糖、バターを次々と入れていった。
バン、と音を立ててレンジを締め、温める。出来た皿を斎木の前に、ごはんと一緒に並べた。
「はい」
「ええー…?!何をインストールしたの?ロボ」
「食べてみてー」
「レンジとは 死ぬ事と 見つけたり……」
「ふふふ!」