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第5回
「新しい生活には新しい名前を!と思って、君に「ロボ」って名前をつけたけど、私のことは何て呼んでくれるのかな」
斎木がロボに話し掛けた。
ロボが新しい生活を始めて、3日目のことだった。
「妹さん、ではどうでしょうか」
「君の母親はわたしの姉だけど、私は君の妹ではない!」
「ややこしいね」
「「斎木」でいいだろ。ここの皆はそう呼んでるんだから」
『つまらないもの』としてまんじゅうをもらった高瀬がひとりで食べきれる量じゃないといって、リビングに持ち込んでいた。
3人分のお茶を淹れて、間食を楽しんでいる。
「私のことはマスター、と呼ぶのはどうだろうか」
「犯罪の匂いがするな」
斎木の突飛な提案を高瀬が一刀に伏したが、斎木は気にするでもなく、ロボの反応を伺った。
「名前で呼んじゃダメですか?」
「面白味がないかなあ、と思って。雰囲気も出るし。あとドリームだからです。おとこの」
「おとこの!……じゃあ呼ばなくてもいいんですか?」
「だ、だめです」
「面倒なやつだな斎木」