第17回
ロボは学校から家に帰ったあと、ランドセルを置いてスーパーへ向かった。
夕飯の買い出しだ。
食事は斎木か、いない場合は高瀬が作ってくれることが多いが、今日はロボが作ると申し出ていた。
ロボの料理の腕前はかなりのものになっており、たまには振る舞いたいと思ったのだ。
スーパーのレジで会計を済ましている時、ロボは中年の主婦同士の会話を聞いた。
その内容は、ロボに関することだった。
得体の知れない若者が一軒家に集まって済み、ついにはそのうち一人が自分の子ではない子どもを連れ込んでいるという会話だ。
ロボはレジを済ませ、急いで袋に詰めると、走って家に帰った。
レジ袋に食品を詰める順番も、普段は完璧に計算出来るロボだったが、今日は慌てるあまり柔らかいトマトやたまご、とうふが袋のなかで潰されていた。
家に帰ってロボは泣いた。
泣いているところを斎木に見つかり、理由を話した。
斎木は普段、へらへらと過ごしていて、あぐらをかいてパソコンに向かっているか、床かソファで寝こけている姿しか見せないが、ロボの話を聞いたあとは怒りの表情が浮かんだあと、悲しい表情が現れて、複雑奇妙な顔になった。
「人生の価値は誰と時間を過ごすかで決まる」
話を聴き終わったあと、斎木がロボに話し掛けた。
「私はそんな噂をする人達よりも、ロボ、お前と一緒にいたい」
ロボは賢い子で、頭がよく回る。
心ない話を聞いたあと、「自分はここにいないほうがいい」と感じたであろうことを推測しての言葉だった。
「ロボはその話をしていた人達とわたし、どっちが大事だ」
「斎木が大事」
ロボはもう泣かずに、即答した。
「ありがとう。私たちの人生はオールグリーンだね」




