私3 保健室
保健室は好きでした。
『私』3 保健室
目が覚めた。
見知らぬ天井と、知らない布団の感触がした。
私は保険室で寝ていた。
そして思い出した。
調理室での自分の醜態を。
私の吐瀉物がかかった食材を。
どうしても、駄目だった。
耐えられなかった。
お母さんとの思い出が体に染みついていた。
あんなことなら、積極的にお手伝いなんかするんじゃなかったと、後悔した。
ベッドから起き上がると、椅子の上に白衣を着た男が座っていた。
二十代後半か、いや、三十代前半にも見える。
ただ、表情は、幼さの残る少年の様だった。
男は心配そうに私の頭を撫でた。
その手はとても暖かかった。
涙が出そうになった。
当然その男は、この保健室の先生だった。
その日私は早退して、家のベッドでただひたすら、眠ることに専念した。
次の日だった。
私の靴箱に牛乳のパックがつぶれて、中身が飛散していた。
上靴から明らかに腐った臭いがする。
臭い。
とんでもなく臭い。
私は上靴から目を反らし職員室前のスリッパを履いて教室へ向かった。
教室の私の机には大量の牛乳でできた白いテーブルクロスがかけられていた。
もちろん液体状だ。
私は自分の机を、窓に向かって投げ飛ばした。
激しい音を立てて窓が割れた。
クラスメイトの悲鳴が聞こえた。
そして私は教室を走って、出て行った。
どこにも行くあてのなかった私の足は、自然と保健室に向かった。
牛乳は臭いですよね




