9/10
【総取りの証明】
【総取りの証明】
勝者は全てを得る……と伝わる魔剣があった。
その魔剣は、かつて土地を奪い王国を起こしたとも。
知識を奪い賢者となったとも、信仰を奪い神となったとも。
あらゆるものを奪ったのだ、と。
そう伝わっている。
しかし、その魔剣が奪えないものがあった。
それは、見えないものだったそうだ。
土地を奪った国の中に、ひっそりと信仰が根付いていたように。
知識を奪った賢者が、高弟の一人に出し抜かれて賢者の地位を失ったように。
神と呼ばれたが、唯一に成れなかったように。
見えないものとは、いったい何を指していたのだろうか?
知識? 信仰? それとも命?
噂と共に囁かれる予想だが、しかしきっとそれは美しいものだったに違いない。
何故なら、この魔剣を探し求める者はこう思う。
――きっと、この魔剣に奪えないものは何もない。
だって。
魔剣が奪ったものは、すべてその時は見えていたのだから。
~~~~~~~~~~~~~~~
あらゆるものを奪う、と伝わる魔剣。
王が土地を奪った槍だとも、知識が込められた短剣だとも、
あるいは信仰を収める祭具とも伝わっている。
次には、どのような形で姿を現すのだろう。
~~~~~~~~~~~~~~~




