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【預けられる信仰】
【預けられる信仰】
信仰は、目に見えない。
これはもはや常識と言っても良い。
しかし、魔剣は見える。
勿論、神も見える。
こちらは、間違いなく常識である。
故に、賢い神官は考え付いた。
――つまり、信仰も見えるようにしたら良いのでは?
そして、神官は硬貨に神殿を意味する文字を掘った。
しばらくして、神官は気づいた。
適当に作った筈の文字が、
神官が信じる神と同じ意味となっていたからだ。
その重さに耐えられなくなった神官は、跪き祈った。
――どうか、この文字が軽くなりませんように
神官の様子を見た神は、こう言ったそうだ。
――それは、そこにあるのではないのか?
神官は神に祈っていたが、恐れていたのは文字だった。
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とある神官が作り出したとされる、「神」を意味する文字……に見える魔剣。
神官は、最後まで気づくことがなかった。
この魔剣が最も最初に切り分けたのが、己の信仰であったことを。
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