【信仰の肌着】
【信仰の肌着】
ある所に、ハレンチさんと言われる学者が居た。
そう言われると学者は反論するだろうが、
しかし彼と仲の良い女神官は、彼のことを「ハレンチさん」と呼ぶ。
とはいえ、学者と女神官は仲が良かった。
そんな二人の様子を不思議に思った商人は、
酒の席で学者にその疑問を聞いてみた。
――あんた、どうしてハレンチさんなんだ?
学者は、笑いながらこう言った。
――俺が信心深くないからなんだって言ってた。
商人は、学者の言葉の意味が分からなかった。
そんな気持ちが顔に出ていたのか、学者は笑いながら言葉を付け足す。
――彼女が言うには、不便ってのは神様の服なんだって言ってたよ。
学者の言葉に、商人はよく分からないものの、納得はできた。
そしてしたり顔で頷きながら、内心で一つの商品を思い浮かべる。
――あの服、売れそうだな。
次の日、商人は神殿に美しい肌着を持って行った。
そして、件の女神官に肌着を見せた。
きっと売れると思っていたが、しかし女神官は申し訳なさそうに断った。
しかし商人は彼女の断りの言葉を笑顔で受け取り、神殿を後にした。
そして彼は、いつものように露店を開いた。
――便利すぎて神様が着れなかった肌着だ。今なら安くしとくよ。
その売り文句は、昨日の夜から決めていた。
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学者によって切り取られた神の衣を使った服だと伝わる、
ただの肌着にしか見えない魔剣。
笑い話に聞こえるが、この魔剣は確かに役割を切り裂いた。
どうやら、神は何かを着ているらしい。
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