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魔剣蒐集録Ⅱ  作者: 健康な人
1章:信仰と想像の寓話
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【信仰の肌着】

【信仰の肌着】


 ある所に、ハレンチさんと言われる学者が居た。

 そう言われると学者は反論するだろうが、

 しかし彼と仲の良い女神官は、彼のことを「ハレンチさん」と呼ぶ。

 とはいえ、学者と女神官は仲が良かった。



 そんな二人の様子を不思議に思った商人は、

 酒の席で学者にその疑問を聞いてみた。

 ――あんた、どうしてハレンチさんなんだ?


 学者は、笑いながらこう言った。

 ――俺が信心深くないからなんだって言ってた。



 商人は、学者の言葉の意味が分からなかった。

 そんな気持ちが顔に出ていたのか、学者は笑いながら言葉を付け足す。

 ――彼女が言うには、不便ってのは神様の服なんだって言ってたよ。


 学者の言葉に、商人はよく分からないものの、納得はできた。

 そしてしたり顔で頷きながら、内心で一つの商品を思い浮かべる。

 ――あの服、売れそうだな。



 次の日、商人は神殿に美しい肌着を持って行った。

 そして、件の女神官に肌着を見せた。

 きっと売れると思っていたが、しかし女神官は申し訳なさそうに断った。

 しかし商人は彼女の断りの言葉を笑顔で受け取り、神殿を後にした。

 そして彼は、いつものように露店を開いた。


 ――便利すぎて神様が着れなかった肌着だ。今なら安くしとくよ。


 その売り文句は、昨日の夜から決めていた。



 ~~~~~~~~~~~~~~~


 学者によって切り取られた神の衣を使った服だと伝わる、

 ただの肌着にしか見えない魔剣。

 笑い話に聞こえるが、この魔剣は確かに役割を切り裂いた。

 どうやら、神は何かを着ているらしい。


 ~~~~~~~~~~~~~~~


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