そらまめのそらもよう 〜episode13 栗杯〜
はっけよーい のこった のこった
広い栗畑の中で、3この栗たちが相撲をしていました。
もみじの葉っぱを持っている1こが行司役で、
2こが力士でした。
のこった のこった
ところが、行司役も力士も同じ大きさなので、
動いてるうちに、3こがだんごのようになって、ひっくり返ってしまいました。
もっと小さいのが、行司役をしないと
こんがらがっちゃう。
そこにちょうど てくてくと歩いてくる
小さなものが 栗たちの目にとまりました。
そらまめです。
栗たちは、さっそく
そらまめを行司役にスカウトしました。
そらまめは、栗たちにひっぱられ、
もみじの葉っぱを渡されました。
はっけよい のこった のこった
そらまめの行司で、相撲がはじまりました。
そらまめは、勝った力士の方に、
もみじの葉っぱをさっそうと振りました。
栗たちも、そらまめの行司役に 満足したようです。
そこへ 次々と 栗たちが集まってきました。
どうやら、トーナメント制で、
相撲大会が始まるようです。
栗の山 栗の里 栗丸 栗の花 栗すけ
栗あん 栗りん 栗すます
みんなちゃんと 四股名がついてます。
そらまめは、すっかり行司役もいたについて、
力士たちをよけ、とびまわり、
かっこよく、もみじの葉っぱを 振りました。
そらまめは、実をいうと、
どっちが勝ったのかわからないときもありました。
だって、みんな同じような顔カタチなんですもんね。
でもそんなときも、そらまめは、
ちゃんとわかっている風をよそおって
きっぱりと葉っぱを振るのでした。
相撲大会は、大盛り上がりで
勝敗が決まっていきました。
さてさて、優勝したのは、栗の里でした。
みんなで栗の里をかついで、
優勝パレードがはじまりました。
栗の里は、そらまめをひょいとだきあげて、
肩にのせてくれました。
わっしょい わっしょい
栗畑の中、栗たちの楽しそうなパレードが、
続きました。
優勝した栗の里も
惜しくも負けてしまった力士たちも
かっこよく行司をしたそらまめも
みんな、あっぱれ あっぱれ




