インディ・ジョーンズ、ウィリー・スコットとショート・ラウンドが焚き火のそばに座る。
これはこの物語の最新エピソードです。皆さんに楽しんでいただければ幸いです。
夜。
静まり返ったホテルの一室。
遠くで波の音が微かに響く。
タクトとクガイは、テーブルを挟んで座っていた。
向かいには、スンダリとマダリーナ。
二人の女性は、穏やかな笑みを浮かべながらも、どこか探るような目をしていた。
マダリーナが静かに口を開いた。
「……ねえ、タクト。クガイ。
あの“象徴”、あれはいったい何なの?」
タクトとクガイは顔を見合わせた。
逃げることはできない――そう悟った。
タクトが小さく息を吐き、ノートを開く。
そこには、無数に描かれた同じ図形。
円と線が絡み合い、まるで意思を持つように歪んでいた。
「これは……“力の象徴”と呼ばれている。」
クガイが続けた。
「単純に言えば――このシンボルを知る者は、人を支配できる。」
スンダリの瞳が揺れた。
「支配……?」
「ああ。
超能力なんてものじゃない。現実を歪めたりもしない。
ただ、人を――従わせるんだ。」
部屋に重い沈黙が落ちた。
タクトがノートのページをめくりながら、淡々と語る。
「紙にこのシンボルを描くだけで、その力は発動する。
各図面は使える対象は二人まで。三人目は無理だ。
そして――このシンボルを知っている者同士には、効かない。」
クガイが苦笑した。
「まるで、人間関係そのものみたいだろ。
知ってる者には、もう“騙し”は通用しない。」
マダリーナは首をかしげた。
「そんな……まるで呪いのようね。」
「違う。」タクトは即座に言った。
「これは“呪い”じゃない。
使う理由がある人間にとっては、ただの“道具”だ。」
数秒の沈黙。
やがて、スンダリがゆっくりと問いかけた。
「……ねえ、どうしてそこまでして、その“力”にこだわるの?」
その問いに、タクトとクガイは互いを見た。
そして、逃げ場を失ったように目を伏せた。
タクトが、かすかに笑う。
「俺たちの親父は……どっちもサラリーマンだった。
毎日、同じ時間に起きて、同じ電車に乗って、同じ顔で帰ってくる。」
クガイが言葉を継ぐ。
「灰色の人生だよ。
子どもの頃から、ずっと思ってた。
“俺はああはならない”って。」
タクトの瞳に、どこか遠い記憶がよぎる。
「それでも……怖かったんだ。
夢の中で何度も見た。
俺の身体がどんどん老いていって……
シワだらけになって、崩れて、最後には――ただの灰になる夢を。」
「そう。
だから俺たちは探したんだ。
“退屈”を殺す方法を。」
誰も何も言わなかった。
マダリーナはゆっくりと立ち上がり、二人の前に歩み寄る。
「……あなたたち、きっと、すごく疲れているのね。」
彼女は微笑みながら、そっとタクトの額に唇を触れさせた。
スンダリも同じようにクガイの額にキスをした。
「今はもう考えなくていいわ。
眠って……」
二人はベッドに身を沈めた。
まるで糸が切れたように、深い眠りに落ちていく。
部屋の明かりが消える。
残されたのは、机の上に開かれたノート。
ページの真ん中に描かれた 権力の象徴が、
月明かりを受けて、静かに輝いた。
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