奇妙な一日
これは私が作っている新しい物語です。皆さんに楽しんでいただけたら嬉しいです。
インディ・ジョーンズの映画に憧れて育った日本人の青年二人、タクトとクガイは、考古学者としての夢を追いかけてきた。彼らが求めていたのは、映画のような冒険と、次々と現れる美しい女性たちとの出会い。しかし――現実は違った。
25歳になった今でも、彼らの生活には映画のようなロマンはなく、彼女すらできたことがない。毎日地味な発掘作業に追われる日々だ。
そんなある日、彼らはモンゴルの遺跡に調査のため訪れる。そこはすでに多くの研究者が調査を終えた場所で、新しい発見など期待できないはずだった。
だが――
偶然のきっかけで、彼らは隠された通路を発見する。通路の奥には、これまで誰にも見つけられなかった古代の祭壇があった。どう見てもモンゴルのものでなく、それ以前の文明の遺物のように見える。
壁には古代サンスクリット語で書かれた碑文が刻まれていた。幸いにも、タクトとクガイはサンスクリット語を読むことができ、そこに記された言葉を読み解く。
「我、神なる皇帝チンギス・カンは、死を前にし、神々、特に偉大なるカナタ・ジンに感謝を捧げ、この祭壇を遺す。
彼の力は“力の象徴”を通じて我に授けられた。
いつか、我と同じく偉大さにふさわしき者がこの象徴を見つけることを願う。
カナタ・ジンは全てを見ており、全てを知っている。」
碑文の最後には、見たこともない奇妙なシンボルが描かれていた。
「……これは、いったい……?」
タクトとクガイは、そのシンボルを急いでノートに写し取る。だがその瞬間――
地面が激しく揺れ出した。
「地震だ! 逃げろ!!」
古代の遺跡が崩れ始める中、二人は命からがら脱出する。背後で、あの祭壇は瓦礫に埋もれ、永遠に失われたかのように姿を消した。
――この出会いが、やがて二人の運命を大きく変えることになるとは、
この時の彼らには、まだ知る由もなかった。
このエピソードを楽しんでいただけたら嬉しいです。次のエピソードもすぐにアップロードします。