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4.サバイバル

ひろとは、まず自分が置かれている状況がどのようなものかを探った。


この泉のある森をもう一度隅から隅まで調べてみた。


この森は、泉を中心に()()()()()()()()()()()のエリアになっている。


森自体はもっと広いのだが、『半径30mの円状の見えない壁』があって、それ以上進めないようになっているのだ。


そして、泉以外には『扉』が一つ。

それ以外には、木と草以外何もない。不思議なことに虫や鳥などの動物も一切いない。


つまり、ここを出るには『扉』を開けて出ていくしかないのだ。

「うーん、また『扉』を開けて、森に出ていくんか・・・怖いな、まじで・・・」


この泉を中心としたエリアを『泉の部屋』と呼ぶことにした。

扉の向こうは『森』。『泉の森』だと『森』がかぶっており、分かりにくいためそう呼ぶことにしたのだ。


そして、現状の持ち物は、以下の3点のみ。

・ナイフ

・首にかけていたタオル

・ライター

タオルとライターはもともと持っていたもの、ナイフは『森』で拾ったものだ。

他にも探せが何かあるかもしれない。


そしてそして、一番重要なのは『泉の水』だ。

飲むと怪我や疲労を直す効果がある。

これは、今後『森』を探検する際に生命線となるものだ。


時計がないから時間の感覚はないが、謎の生物にかまれた後、数時間くらい経ったのだろうか、腹も減ってきた。


「まずは、食料の確保だな。このままだと飢え死にしてしまう・・・」

「この泉の部屋には、食べるものもないし、さっきのリンゴ桃でも取りにいって食料を確保しないと」


ひろとは、意を決して『扉』を開けると、扉をくぐった。


先ほどから数時間経ったからだろうか、日が傾いており少し暗くなっていた。

泉の部屋で時間が経過すると、森でも時間が経過するようだ。

泉の部屋はまったく明るさに変化はないので、時間経過によって明るさが変わらないのかもしれない。

日が傾いたことで、暑さと湿気がやわらいでおり、過ごしやすい。


「よしっ!まずはリンゴ桃の確保やな!」

ひろとは、近くになっているリンゴ桃をナイフで枝から切り取り収穫していった。

リンゴ桃を10個ほど確保し、一度に持ち帰れないので、何度か往復しながら泉の部屋へ持ち帰った。


「とりあえず、飯にすっかー・・」

泉の部屋に帰ったひろとは、リンゴ桃にかぶりつきながら今後のことについて考えた。


「今回は出なかったけど、問題はあの鶏蛇やな」

「あれをどうにかしないと、下手したら殺されちまう」


地面に置いたナイフを眺める。

「武器はこのナイフだけ。これであれと戦えるんか?」


「リンゴ桃も、扉の近くのものを取り尽くしたら、もっと遠くへ探しに行かなきゃならんし、いずれはあの鶏蛇とばったり会うだろうから、戦わんとどうしようもないよな」

「泉の水を飲んだら、怪我も治ることだしなんとかなるか・・・」


ひとしきり、今後の計画について考えていたが、普段使わない頭を使ったためか眠くなってきた。

「・・・酒もねえし、することないし、とりあえずこれ以上考えてもしょうがないから寝るか」


ひろとは、草むらに横たわりそのまま眠りについた。

ベッドも布団もないが、不思議とスムーズに眠りに落ちることができ、途中で起きることもなくぐっすりと寝られたのだった。

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