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3.おふくろさん

体が鶏で頭が蛇の謎の生物は、けたたましい鳴き声を上げて威嚇を始めた。


「うぉっ!なんやこいつ・・やべえやろ」

異常な状況に、汗が顔を伝いぽとりと落ちる。


謎の生物はこちらへ向き直ると、ひろとに向かって突進してきた。

いきなりの展開に、ひろとはそのまま固まってしまう。


謎の生物は、口を大きく開けてヒロトに襲い掛かる。

そして、ヒロトの股間に思いっきりかぶりついた。


「お゛ふくろさぁーーーん!!」

ひろとは、強烈な痛みに絶叫する。


(やばい!やばい!化け物にち〇こ噛まれたぞ!)

「くっそ!いでえぇ!!」

ひろとは、苦し紛れに手に持っていたナイフをぶんぶんとでたらめに振り回した。


ザシュッ!!


謎の生物の首にナイフがかすり、一瞬噛みつく力が弱まる。

ひろとはその隙に、謎の生物を振り払うことに成功した。


そのまま、痛みに顔をしかめながらフラフラと駆け出す。

「やばいて!やばいて!」

ズボンに赤いシミが広がってきて、ズキンズキンと鈍い痛みに涙が出てくる。


「そうだ!扉!扉どこよ!?」

ひろとは、さきほど通ってきた扉を探す。

30mほど向こうに、扉を見つけ、全力でダッシュする。

謎の生物も”ぎょぴいいい!!“と金切り声をあげながら追いかけてくる。


「あかんあかんあかん!早く早く!」

ひろとは、縋りつくようにノブに手を掛けて扉を開け、転がり込むように扉をくぐる。

勢いよく扉を閉めると、緊張の糸が切れて、そのままへたり込んだ。


「ふぅ~、なんなんだこれは一体・・・・」

「くっそ、いってえええ・・・」


しばらく、座り込んだまま休んでいたが、泉があったことを思い出し、傷口を洗い流そうと立ち上がる。

「やべえ動物に嚙まれたんやから、消毒しとかないと・・・」


泉まで歩き、ズボンを脱ぐと、股間に歯形がくっきりとついて流血している。

「ああ、いってええな・・・俺のマグナムになんてことをしてくれるんや・・・」

とりあえず、緊張の連続でひどく喉が渇いていたので泉の水を手ですくい、一口口に含んだ。


・・・すぅううううううううう・・・

体がやわらかな光に包まれ、股間の傷がふさがっていく。

疲労感もすぅっと引いていき、意識がクリアになった。


「なんだなんだ!?痛くない?傷がなおった!?」


あまりに理解できない事象が起こり続け、いやな汗が体から噴き出し、脳が混乱する。

「一体ここはどこで、何がおこってるんだ?」


柔らかな風が股間に当たり、ブルッと身震いしながらひろとは半裸で一人途方に暮れるのだった。

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