23.試練の城
「だれが、変質者じゃあああああああああああ!!!」
ひろとの絶叫が響き渡った。
「・・・え?」
メイドさんは、かわいらしい仕草で首をかしげている。
「え?」
ひろとは、一瞬疑問を浮かべた後、自分のやばい状況を思い出し、ひととおり自分の格好を確認した。
「ちがうんです!これはしかたなく・・・」
おろおろと慌てながら、言い訳を口にしつつ近づいていく。
パシィイイイイン!!
「ひっ!!??」
・・・いきなり、強烈な破裂音が響き渡り、ひろとが首をすくめ顔を青くする。
「キモいので、近づかないでください。変質者様」
メイドさんの手には、いつの間にか鞭が握られていた。
今の破裂音はどうやら鞭を地面にたたきつけた音のようだ。
「え?え?え?」
いきなりの展開にビビり散らして後ずさりするひろと。
「・・・こほん、それでは試練の城について説明させていただきますね」
メイドさんが、鞭を両手で掴み、ビシッと伸ばしつつ快活な声で説明を始めた。
「はい・・・」
余計なことを言わないほうが良いと察して、おとなしくうなずく。
「変質者様には、まず第一の試練として3つの試練の中から一つを選んで挑戦していただきます」
かわいらしい仕草で指を3つ立てる。
「ほう・・・」
ひろとは、あごに手を当ててうなずく。
「『雷鳴の試練』、『氷炎の試練』、『超最悪無限生き地獄の試練』の3つです。どれにしますか?」
「・・・・」
ひろとは、頭をかきながら、うーんと唸って考えをめぐらす。
「『雷鳴の試練』と『氷炎の試練』か・・・・」
「『超最悪無限生き地獄の試練』もありますよ♪」
メイドさんが、間髪入れずに突っ込む。
マスクで表情はうかがえないが、絶対に気持ち良いくらいの笑顔で言ってるが分かる。
「誰がそんな怪しい試練に挑むかっ!!」
ひろとは全力で拒否する。
この怪しい世界に来て、初めての人間というか、そもそも人間なのかはわからないけど、コミュニケーションの取れる存在に会うことが出来たが、かなり癖の強い人のようだ。
「うーん・・・雷でビリビリされるより、炎や氷の方がまだましかなあ・・・」
「・・では、『氷炎の試練』で良いですか?本当に『超最悪無限生き地獄の試練』でなくて良いんですね?」
「・・・はい」
ひろとは、疲れた表情でうなずいた。
「承知いたしました。準備ができましたら、試練の部屋に入ってもらいます。必要のない荷物などはこの部屋に置いておいてかまいません。そこのテーブルでステータスを確認できますのでよろしければご覧ください。」
「へえ、ステータスが見れるのかぁ・・・どれどれ?」
「テーブルの中央を手でなぞってください。」
メイドさんに言われた通りに指を這わすと、テーブルの中央が光り始め、ステータス画面が表示された。」
「なるほど・・・今は特に確認することはないから見なくてもいいか・・・」
パンダのリュックに入った、コップなどの戦闘に使わない用具をテーブルの上に置いて、最低限の荷物のみを厳選して、リュックを背負い直した。
「よっしゃ、準備できたで!」
ひろとは、パンッと両頬を手で叩いて気合を入れた。
「それでは、試練の部屋に案内させていただきます」
メイドさんが優雅な仕草でくるりと反転して廊下の奥へと進んでいく。
スク水を着た怪しいおじさんは、メイドさんに鞭で打たれないように5mほど距離を開けて、歩き始めた。




