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21.ひろとクエスト

ひろとは、城門の前で城を見上げている。

高さ3mほどの高い塀に囲まれており、大きな城門がしつらえてあり、威容を誇っている。

茶色の屋根とグレーの壁という色合いの石造りの城から、重厚な威圧感を感じて、思わずごくりと唾を飲み込んだ。

「城を攻略しろって、ゲームじゃねえんだぞ・・・あほじゃねえのか?」

ひろとは、愚痴を言ってから、ぐっと腰を伸ばして、唸った。

はぁ、とため息をひとつついて、あきらめ顔でつぶやいた。

「まあゲームみたいなもんか、この状況は・・・さしずめRPGゲームやな」


城門に向かって歩き出すと、門の脇に鎧を着た門番らしき人影が見えた。

まったく微動だにしていないので、鎧が飾ってあるかのように見える。

「飾り・・・なわけないよなぁ・・・」

ひろとがぽつりとつぶやくと同時に、門番がガシャッという音とともに動き始めた。

槍を構え、カブトのバイザーが開いた。

中から白のウサギ顔が見える。

「来たなあウサギ顔・・・はいどうぞって通してくれるわけないわな」


ひろとは、独り言を言いながら、サーベルを抜き放つ。

鎧ウサギ顔は、槍をひろとに向けながら、ゆっくりと近づく。


先に動き出したのは鎧ウサギ顔だった。

槍を振りかぶり、一直線に突き出してくる。


股間を狙った槍の一撃を、横にステップして躱し、サーベルで胸部を狙って突いた。

カンッ!!

「ゲッ!?」

サーベルの切っ先が胸部の装甲に弾かれて、滑ってしまった。


あわてて、距離をとって対峙しなおす。

槍の一撃をかわし、サーベルで斬りつけるが鎧に防がれる。

必ず股間を狙ってくるため、回避するのは簡単だが、相手の防御力が高すぎる。

スクール水着を着て、ウサギ耳をつけたおじさんは、チッと舌打ちしてサーベルと構え直した。


「クソっ!鎧の隙間か鎧の無い関節をねらうしかないっ」

叫ぶとともに槍をサーベルで弾き、そのまま突き出した。

肩口の鎧の隙間を狙った一撃は、胸の装甲に当たり、そのまま滑りながら脇の無防備な場所に刺さった。


ギャアアアアアア!!

鎧ウサギ顔は、痛みに顔をゆがめて叫びながら、後退した。

「おらあああ!」

ひろとは、ここぞとばかり追い打ちを加える。


ザシュッ!

今度は、首にサーベルが突き刺さり、引き抜くと鮮血がほとばしった。

鎧ウサギ顔は、膝から崩れ落ち、前のめりになって倒れた。


「ふう・・・」

汗をぬぐいながら、鎧ウサギ顔の様子を眺めて動かないことをしばらく確認した。

スクール水着が汗ばんでぐっしょりと重くなっている。

「鎧にサーベルが弾かれるってのは厳しいな・・・頭を使っていかないとやばいぞ・・・」

懸念事項を口にしながら、門の前に立つ。


大きな門の横に小さな通用門があったので、扉のノブを引くと、あっさりと扉が開いた。

「敵は・・・いないな・・・」

きょろきょろと周囲を伺い、さらにウサギ耳の聴力で足音が聞こえないことを確認して、城内に入った。


城門を超えたところは、広い庭になっていた。

馬車が通るのであろう石畳の道が続いている。

開けた場所で隠れる場所がないため、躊躇したが、他に進む道がないので道を進んでいくことにした。


手入れの行き届いた花畑が点在する映画にでも出てきそうな美しい庭をスク水おじさんが歩いているという地獄絵図が展開されているが、特に何も起こらないまま無事に城の入り口にたどり着いた。

「特に何もいないみたいやな・・・・ん?」


入り口の扉の両脇に、三つ首の犬のような動物の石像が据えられており、目の部分が赤く光っている。

「これはあれか・・、動くやつか・・・」

ひろとがびびりながらつぶやいた瞬間、石像の色がゆっくりと黒く変わり、三つ首の犬の化け物が2体うなりを上げ始めた。


「2体はちょっとまずいやろ・・・」

ひろとが、思わず後ずさった瞬間、2体の三つ首の犬が同時に飛びかかってきた。

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