表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
2/32

2.異世界転生

(・・・もっとっ!もっと!蹴って!・・・・)


「はっ!?」

目が覚める。


目を開けると、まばゆい光が目をさした。

「ここは・・・?」


体をゆっくりと起こし、周囲の様子を確認する。

広葉樹の木がまばらに生え、高さ10cm程度の草花が広がっている・・・暖かな光が差しており、穏やかな風が吹いている・・・森の中草むらにひとり横たわっていたようだ。


「俺は・・・股間が炎上して、トレーラーとぶつかって、紫のお姉ちゃんに踏まれて・・・死んだはず・・・」

「なんでこんなところで寝てるんだ?森のなか・・?」

理解が追い付かず、しばらく呆然としていたが、特に変化はなく、遠くで鳥がさえずる声が聞こえてくるのみ。

柔らかな風が頬をなでる感触にこれは夢ではないのではないか、現実に起きている事ではないかとなんとなく思った。

「夢・・・ではないな、現実だよな・・・・??」


ひろとは立ち上がり、周りを見渡すと、1か所だけ木々が切れた箇所があり、幅2m程度の小道があるのを発見した。

「ここにいてもしょうがないから、とりあえず道を進んでみるか・・・」


小道を進んでいくと、すぐのところに小さな泉があった。

直径3m程度の円状で、周囲を石で囲まれている。


水面をのぞき込むと、透明度が高く飲むことが出来そうに思えた。

泉の端の岩の隙間から水が湧いているのを見つけ、手で受け止めて飲んでみる。

「うん。うまいな」


「しっかし、ここは一体どこなん?天国?」

他になにか無いか、周囲を見渡して確認する。


すると、泉から少し離れたところに『扉』があるのが見えた。


「はー?なんやこれ?扉?」

ドラ〇もんのどこ〇もドアのように『扉』だけが、据え付けてある。

古びた洋風の民家にあるようなくすんだ茶色の扉だ、真鍮の味のあるノブが歴史を感じさせる。


「意味わからんなー・・」

明らかに異質なものに感じ、警戒して様子を伺うが、いくら待てども何も起こらないため、意を決してノブを掴んだ。


ノブを回して扉を開けると、扉の先には、森林が広がっていた。

こっち側の森と比べると、鬱蒼とした暗い森で、キーキーとけたたましい獣の声などが聞こえ、動物の息遣いが感じられる。

夏なのか年中こうなのかわからないが、気温が高く、湿度が高い。熱帯雨林なのだろうか・・・。


「んー?また森?すげえなこれどういう仕組みなん?」

ひろとは、興味本位でその扉の中に入ってみる。


扉の外に足を踏み出すと、コツンと足に何かが当たった。

「・・・ナイフ?」

古びたナイフが、転がっていたので拾い上げる。

「なんでこんなところにナイフが?とりあえず持っとくか・・・」


ぐるりと見渡すと、近くの木に赤い実がなっているのが見えた。

手で届きそうなところにあったので、ナイフで切って直径10cm程度の実をとってみる。


「これ食えるんか?」

匂いを嗅いでみると、甘い良い匂いが鼻腔を刺激した。

意を決して、食べてみるとシャクッと小気味良い歯ごたえと甘い味わいが口に広がる。

「リンゴと桃を足して2で割ったみたいな味やな・・・うまいわこれ」


扉を出たところから、森の中に小道が伸びており、左右に茂みが繁茂している。

ひろとは、しばらく迷ったが、判断がつかなかったので、とりあえず、道に沿って進んでみることにした。


赤い実を食べながら、道を進んでいると、突如10mほど前方の茂みから小型の動物が飛び出してきた。

鶏の体に蛇の頭をくっつけたような全長50cm程度の謎の生物がトコトコと歩いている。


「なんやあれ?鶏に蛇の頭?マジか・・・やばいやろ・・・」

謎の生物がこちらに気づき、目があった。


ぎょぴぃいいいいいーーーーー


「うわっ!」

謎の生物は羽を広げ、けたたましい鳴き声を上げて威嚇してきた。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ