17.筋肉痛
パキッ・・
ピンクのウサギ顔と対峙したひろとは、サーベルを構え、足を一歩踏み出した。
地面に落ちていた木片を踏んだ音が、静かな空間に不自然なほどはっきりと響く。
「ひょっ!!」
ひろとは掛け声と同時に全力で前方に踏み込んだ。
今までにないスピードで間合いを一気に詰め・・そのままウサギ顔に激突した。
「アゴッ!!」
ひろととウサギ顔は互いの頭をおもいっきり打ちつけ合い、二人とも頭を抱えてしばらく悶絶する。
シャアアア!!
ピンクのウサギ顔が先に立ち直り、ひろとの股間に棒を振り上げ横薙ぎに叩きつけた。
「ん゛っ゛つ゛!!!」
ひろとは、股間に伝わる強烈な刺激に悶え涙がこぼれ出るが、しばらく悶えた後、そのままお返しとばかりにウサギ顔の股間に蹴りを入れた。
「ギャアアアア!!」
ウサギ顔は、股間を蹴られたまらず悶絶する。
その隙を逃さずひろとは、距離を取り一旦間合いを取った。
「はあはあ、力の加減が難しいな・・・制御できんぞ、飛びすぎてしまう・・・」
渋い顔で痛む股間をさすりながらひろとは独り言ちた。
ウサギ顔は、内またでプルプルと脚を震わせながら、手に持った棒を構えてそろそろと近づいてきた。
「今度は、ちょっと力を加減して・・・・」
ダンッ!!
力を加減しつつ、また同じように前方に跳躍し、サーベルで切りつける。
ガキン!!
ウサギ顔が、棒でサーベルを受け止め、鍔迫り合いになった。
「ぐ、ぎぎぎ・・」
力ではウサギ顔に分があるようでサーベルが押し戻される。
「くっそ・・・うわっ!」
そのまま、吹っ飛ばされ部屋の壁にぶつかった。
「とうっ!!」
ひろとは、壁にぶつかった反動を利用してウサギ顔の側面に一気に跳躍し、反転しながらそのまま突きを3回連続で繰り出した。
1回、2回は回避されたが、3回目でサーベルが、ウサギ顔の脇腹を浅く切り裂き、毛皮がピンクから赤に染まった。
「もう1発!おぎゃー!!」
再度、奇声とともに跳躍し、低い姿勢で懐に入り込み、横薙ぎにサーベルを一閃する。
なおも、連続して斬りつけると、今度は左腕にサーベルが刺さり、ウサギ顔は、たたらを踏んで後退した。
「ヨシ!!押してるぞ!!」
跳躍スピードを生かした攻撃に、ウサギ顔が対応できずにいる。
ひろとは、自分の攻撃が通用することを確信し、一気に決めようと攻勢に出た。
「はいーっ!!」
一気に前方に飛び込むようにステップし、体当たりして吹き飛ばして、そこから斬りつけた。
ウサギ顔の胸を刃が切り裂く。
ウサギ顔はうめき声をあげながらふらついた。
「とどめだ―!!」
ひろとは、渾身の力を込めて足を踏み出した瞬間、突如糸が切れた人形のようにその場に崩れ落ちた。
バタッ・・・
「あれっ??」
足に激痛が走り、1mmも動かすことができない。
ウサギ顔は、チャンスとばかりに四つん這いのひろとを蹴り上げる。
股間を狙った一撃は、浣腸のような形でつま先がえぐりこむように菊の花に直撃した。
「こうもんさまっーー!!」
ひろとは強烈なショックにガクガクと痙攣しながら絶叫した。
とっさに股間を守るため、うつ伏せでうずくまるように体を丸める。
ウサギ顔は、棒でバシンバシンとなんども尻を叩いてくる。
「これは、筋肉痛か?・・・足に急激に負担が掛かって動かなくなったってことなのか?・・」
ひろとは、尻の痛みに意識を飛ばされそうになりながら、必死に考える。
「『泉の水』を飲んで回復すれば・・・」
ひろとは、攻撃に耐えながら、ウサギ顔に気づかれないように、慎重にズボンのポケットに手を入れ、瓶を取り出した。
そのまま一気に水を飲みほそうしたが、違和感に凍り付く。
「ん?あれ?水がはいってない?」
『泉の水』が入った瓶は度重なる攻撃で、ひび割れており、水が全て流れ出してしまっていた。
ひろとは、予想外のことに顔面蒼白になりながら、ウサギ顔に話しかけた。
「いままでのことは水に流すことはできませんかねぇ?フヘへ・・『泉の水』も流れ出てしまったことですし・・」
脂汗を浮かべながら、恐る恐る見上げると、ウサギ顔はニタニタと残忍そうな笑顔を浮かべて、ケケッと鳴いた。
ウサギ顔の残忍な笑みを見て、ひろとの表情が凍りつく。
「やばいっ、嬲り殺しにされる!!」
動く腕を使って、ずりずりと這いずって逃げようとするが、ウサギ顔が恐怖をあおるようにゆっくりと近づいてくる。
ぱぁーーん!!
棒で尻をたたかれ、顔を歪めながら悶えた。
声を出すこともできずに、口をぱくぱくさせて転がりながら逃げるが先回りされ、また叩かれた。
女王様と下僕よろしくスパンキングされながら、ひろとは悲惨な状況に絶望する他なかった。




