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16.スク水パンダおじさん

ドン!!

ウサギの顔をした謎の生物が扉を蹴り上げる音が室内に響く。


扉の強度はもう限界に近いだろう。

蝶番がぎしぎしと音を立てて軋み、今にも壊れそうにたわんでいる。


「そろそろやばいな・・・」

ひろとは、残り時間がほぼないことを感じ、焦りの気持ちが高まっている。


「これどうすんだよ?なんでパンダのリュックなん?こんなんでどうせいっちゅうんや!」

白と黒のリュックサックを握りしめ、なかばパニックになりながら、愚痴を吐く。


ドン!!ドン!!バキッ!!

ついに扉が変形し、ひしゃげ始めた。もう猶予はない。


「くっそ、こうなりゃヤケクソや!!」

ひろとは、イチかバチかでリュックを取り上げ、背中に背負う。


ドカンッ!!

リュックを背負った瞬間、ひときわ大きな音がして、扉が拭きとんだ。


「来たか!!」

ひろとは、扉が壊れ、白いウサギ顔が室内に入ってくるのを確認しながら、サーベルを引き抜いた。


白いウサギ顔が、こちらを見つけ、キシャアアアと叫びながら走り寄ってくる。

「これでもくらえ!!」

白いウサギ顔に向けて、棚に置いてある壺を思い切り投げつける。

壺はあらぬ方向に飛び、狙いを思いっきり外してしまった。

「あらっ?」


ガシャァーーーン!!

大きく外した壺は、壊れた扉の方へ飛んでいき、ちょうど室内に入ろうとしていたピンクウサギ顔の顔へ出会い頭に直撃した。


「あらららら・・・?」

ピンクウサギ顔は、頭から血を流しながら、こちらを睨みつけ歯をむき出しにしている。

完全に怒らせたようだ・・・


「やっべえ、めっちゃキレてるやん!!」

ひろとは、脂汗を垂らしてビビり散らかしていると、白いウサギ顔が殴り掛かってきた。

もちろん股間に。


「おっと!」

ひろとは、ウサギ顔の振り回す腕をバックステップして回避した。

ドンッ!!

「イタッ!?ん?なんだ?」

いきなり、部屋の壁に背中を強打して、顔をしかめる。


「クソッ!室内だと狭くて動きずらいな・・・」

室内は、雑貨屋のため、たくさんの物が陳列してあり身動きがとりずらく、立ち回りの難しさに舌打ちがでる。


白いウサギ顔が追い打ちとばかりに、蹴りを放ってきた。

ひろとは、それを横方向に体を投げ出すようにかわすと、そのまま勢いよく壁にぶつかった。


「!?」

予想外の出来事に、一瞬思考が停止するが、目の前に敵がいることに気づいてあわてて態勢を整える。


「なんだ?なんでこんなとこに壁が?・・・俺めっちゃすげえ距離飛んでない?」

イメージ的には、数歩分移動する程度の跳躍をしているはずなのに、数m一気に移動して壁にぶつかっていることに気づく。


「これは・・・!もしかしてこのリュック・・・・」

ひろとは、リュックの肩ひもを左手でぎゅっと握りしめながらつぶやいた。

「ジャンプ力めっちゃ上がってね?」


気付くと、白いウサギ顔が、間合いに入ってきて攻撃態勢に入っている。

「ふっ!!」

ひろとは、足に力をこめ前方にステップしながらサーベルを突きだすと、一気に2mほど前方に滑るように跳躍した。

想定より跳躍しすぎたため、ウサギ顔にぶつかるような形になりながらであったが、サーベルで一気に心臓を貫いた。

白いウサギ顔は、突然の不意打ちの一撃にまったく対応できずに、力を失いずるずると倒れこんだ。


「ちょっと距離のコントロールが難しいけど、これは・・・いいぞ!」

サーベルを引き抜きながら、ひろとは自身の変化に驚愕した。


ひろとは、扉の方からゆっくりと近づいてきている怒り狂ったピンクウサギ顔に顔を向ける。

スクール水着にパンダのリュックを背負った、道を歩いていたら3秒で職務質問を受けるレベルで不審極まりないおっさんは、真剣な顔でサーベルを構え、ぽつりとつぶやいた。

「おれ、カッコ良くない?」

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