記憶喪失の僕は、どうやら誰かに命を狙われているらしい
何もない真っ白な空間。
どうしてここにいるのか分からない僕は、ずっと誰かにおびえ続けている。
この部屋は、監視されているんだ。
だって、決まって僕が寝ている時に、銃声が聞こえてくるんだから。
おかげでもう何日も眠れていないよ。
きっと、わざと僕が油断する時を待っているんだ。
銃弾が放たれるのは、いつの背中側から。
銃弾は、僕のすぐ横を通り過ぎて、視線の先の壁に突き刺さる。
そうするなら、いっそ一思いに殺してくれればいいのに。
じわり、じわりといたぶるように僕をくるしめてくる。
気が付かないうちに、僕をこんな空間に連れてくるくらいなら、その時に殺せただろうに。
きっと、僕に恨みがあるんだろうな。
命を狙うやつはどんなやつなんだろう。
こんな凶悪な手段を思いつくくらいだから、きっと殺し屋みたいな凶悪な顔の大男に違いない。
まさか、今までナイフも持ったこともないような可憐な少女なんてことはあるまい。