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すみれの花で花束を  作者: 音塚和音
6/15

快適な旅でしたがやはり疲れていたのでしょう。

馴染みのない部屋にもかかわらず、ミーナに声をかけられるまでぐっすり眠っていました。

目を開けた時に自分がどこにいるのか分からず夢なのか現実なのかにも戸惑い、しばらく固まっていました。


「おはようございます、ナタリア様。お体は大丈夫でございますか?お食事は召し上がれそうですか?」


侍女長のソフィアが私の身支度が済むころ尋ねに来ました。

昨日朝食をご一緒するお約束をしたのを思い出し、顔色を悪くし慌てた私に気づいたソフィアが柔らかな微笑みを浮かべながら続けて言いました。


「旦那様は朝早く領民からの報告で出かけられましたので、昨日旦那様がおっしゃった朝食の件は中止となりました。屋敷に一人にしておくことを申し訳なく思う…とおっしゃっていました。」


ありがたいことに旦那様は、慣れない屋敷にいる私を気遣ってくださったようですね。


「領内のことでしたら私よりそちらを優先してください。それに十分休ませてもらえましたので疲れも取れました。時間も時間ですし食事は昼食からにして、今はお茶と何か果物を少し頂けますか?」


そう伝えるとソフィアは「かしこまりました。」と出ていきました。

その後は部屋に数種類のベリーに少量のヨーグルトが添えられた器と、いい香りの紅茶がトレーに乗せられ運ばれてきました。

それは窓辺のテーブルへ置かれ、私はそれを外の景色を眺めながら頂きました。


このお屋敷は他所から来た者にとっては「城」に見えますくらい大きくどっしりと構えた造りです。

領内でも高台にあるこの城の中の私に与えられた部屋は南向きの大きな窓がある2階の一室です。

ですが普通のお屋敷の2階よりは高い位置にあるように感じます。

きっと上部の塔になった部分からは領地全体を見渡すことができるのでしょうね。

ミーナが再度入れてくれた紅茶の香りを楽しみながらゆっくり飲んでいると、旦那様が騎馬でお帰りになったのが見えました。


旦那様は馬番に馬を預けましたが、しばらくその場で騎士に似た服装の若い働き手2人に用紙を見せながら何か指示をしていました。

そしてその2人が騎馬で城を出ていくところが見えたので、私は旦那様のお迎えに城の入り口へ行こうと立ち上がりました。


すると騎馬の2人が出て一度閉じかかった門が再び開けられ、門の外から立派な馬車が入ってきました。

今度は来客でしょうか、旦那様は本当にお忙しい方なのですね。

私などを迎えにわざわざご足労頂かなくて本当によかったです。



私は立ったまま入ってきた馬車を2階にあたる高さの窓辺から見ていると、ステップが付けられ馬車の扉が開けられます。

旦那様は私が着いたとき同様に中から出てきた女性の手を取り馬車から降ろします。

その女性の足が地面に着くと取っていた女性の手の甲に、うやうやしく口づけをしたのでした。


旦那様とその女性は言葉を交わしながら、そして旦那様は愛おしそうにその女性の腰を抱き寄り添って城内へ向かって歩いてきます。

旦那様もその女性もとてもにこやかで幸せそうです。

そして何よりつり合いが取れ、お似合いのお二人なのです。



あら…どういうことなのでしょう?

私ってば後妻ではなくて第2夫人? いいえ妾だったのかしら?

私ったら本当に何も知らないまま、ここに来てしまったのですね。

勢いで書いているので言い回しや説明等、おかしな点に気づきましたら後々手直しするかもしれません。

話の流れは変えません。

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