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7話 少女-1

頭の中のストーリーを文章化する機械くれ

 それは突然起こった


 街から少し離れた森を散策してた所、背後から1人の女性に声をかけられる。しかしその女性の額の上の方に小さいながら二本の角が生えていた。


 刹那、その少女は襲いかかる。標的は俺のようだ。みんなで応戦しようとするが 2人の攻撃を物ともせず一瞬で間合いを詰められる。



あ、終わった……


死ぬ覚悟を決めるが、少女は俺の手を掴むとそのまま森の奥へ引きずり込んでいく。


俺は踏ん張り2人が俺の服を掴んで引き戻そうとするも、まるでアクセル全開の自動車かと思うくらいパワフルで一瞬で2人から引き離される。


2人が追いかけて来るが、森の中なのにもかかわらずこの少女は速くすぐ引き離され2人の姿も見えなくなる。



「あ、あのっ! ちょっと!」


「ん? なぁに?」


良かった、話は通じるようだ。


「運び方どうにか出来ないすか?」


まるでぬいぐるみを持ってるかのように掴まれ扱いが完全に 物と化している。

そのせいで腕に凄い負荷がかかるしさっきから木々が体にぶつかって痛い。3人で踏ん張った時は右腕持っていかれそうになって国家錬金術師になるとこだった。


俺の願いを聞いて背中に背負ってもらった。背中に小さな羽みたいなのが当たって痛いが木にぶつかるよりマシだ。

おぶってもらって周りを見渡す余裕が出来たが森全体が暗くなってきており相当深いとこまで進んでるようだ。


「質問してもいいか? 君は何者で名前は?

後今何処に向かってるんだ?」


「私はね、ヴィネ って言うの!それで今お家に向かってるの!」


なるほど、ヴィネって言うのか。家に向かっていると言っているが見るからに魔物側の子だからその家って事は……確実にやばいな。


一応逃げ出そうと抵抗してみるが、こんなに細い腕の癖に全く動かない。電柱相手に押し相撲してるみたいだ。


「貴方のお名前は?」


「ハオウだ」


「うーん、呼びにくいから ペロって呼ぶね!」


俺はペットか何かですか?まあハオウよりはマシか。


一方 ギルドでは


2人は待合室で待たされていた。

結城が連れ去られた後急いでギルドへ戻り経緯を説明し救援を求めた。だがギルドは救援は出せないとのこと。何故かと問い詰めたが、ソフィーさんから詳しい話をするから待っていてと言われ待合室に案内された。


やっぱりあそこで無理にでも追いかけるべきだったか?今ここで待ってる間もずっと結城は危険に晒されているんだ。


そうこう考えてるうちに待合室の扉が開かれる。ソフィーさんともう1人見覚えのある冒険者が入ってくる。


「あああああさん?」


「あ が一個多いぞ」


発音だけじゃ違いは分からない

よっこいしょと言いながらああああさんは席に座る。ソフィーさんもそれに続いて座る。


「さて、何で俺がここにいるかというと単刀直入に言うと昔俺もその少女に連れ去られた事がある。」


話によると連れ去られた後は少女の相手をさせられ逃げ出そうにも城の中は脱出は困難で少女が満足しない限り帰らせてもらえなかったらしい。ただ少女を不機嫌にさせたり不遜な態度を取った場合殺されるか魔物の餌にされるらしい。

周りには沢山の恐ろしい魔物までいて生きた心地はしなかったらしい。


「ただ、帰る時に人型の魔物の中でも偉そうな奴から変な魔法をかけられたせいかそこで何をしてたか何処にあったか全く思い出せないんだ。」


恐らく場所や内容の漏洩を防ぐためだろう。けどそれなら魔物側からしたらその場で殺せばいいだけなのでは?何故帰す?


「俺から伝えられるのはこれくらいだ。」


チラッと目配りを受け続けてソフィーさんが話し始める。


「現在同様の被害に遭われた方々が三件あります、その内の一件はああああさんです。残り二件は未だ行方不明のままです。」


あぁ、やっぱりそうか。聞きたくなかったけど。

横でゴクリと生唾を呑み込む音が聴こえる


「現在ギルドの方で対策を取ろうとしてますが突発的でかつ場所もバラバラで捜索の方も困難である状況です。」


という事は捜索して見つけるのは絶望的だろう。攫った相手も記憶を消すなどしてる事を考えるとその場所を特定されたくないと感じる。


「捜索隊を派遣したいのも山々なんですが、場所の特定の困難さに加え見つけても救出できるか分からないほどの敵の戦力。さらに1人自力で帰還された事もあり 上のお偉い**(ピー)ジジイ共は捜索隊は派遣できないって言うんですよ!」


後半不満が爆発したのか怒りを露わにしている。

ンンッと一旦咳払いをした後


「ですがお2人のサポートの方は全力でさせてもらいます。それが私が出来る唯一の事ですので。」


「まあ俺は帰ってこれたし他の二人がまだ死んでるとは限らない。何よりアイツ要領良いから帰って来れるさ。だからそんなに心配するな。」




2人の説明を受けた後帰路につく。家に帰っても会話も弾まない。いつも騒がしい大輝もどこか上の空って感じだ。


2人で話し合った結果明日、遅くても明後日までには捜索する事に決めた。その為早めに就寝する事にした。


布団に入り横になって色々考える。

夜は怖いものだ。考えれば考えるほどネガティブな方向へ行き不安が降り積もる。


もし見つからず帰って来なかったら?もう会えない?嫌だ。最後に会うのがあれなんて。やっぱりあの時全力で追いかけてれば


怖い恐い怖い怖い恐い怖い怖い恐い恐い怖い



「心配するなって。」


隣のベッドから声をかけられる。声に出してないはずだけどな


「大丈夫だよ 「大丈夫な奴がそんなに震えるか」


自分の手を見ると微かに震えている


「すぐにひょっこり帰って来るかもしれねぇし案外居場所もすぐ見つかるかもしれないしな。」


「何より見つからなかったら見つかるまで探し続けようぜ。どんだけ時間かかっても。」


そうだ、見つからないと決めるつける訳じゃなくまだ見つかってないと考えればいいんだ。すごいゴリ押し理論だけど。


「よく考えたらこれゲームの中じゃん、実はそういうイベントかも知れないしな!いや、絶対そうだな うん。」


最後の方は自分に言い聞かせるように納得しているみたいだ。けどお陰で体の震えは収まっており今ではなんとかなると思えるしよく考えたら不死身だから殺されて会えなくなるって事ないじゃんね。


安心した後ゆっくりと眠りについた

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