謁見
「・・・・・・?ウスイ様?・・・・ウスイ様!大丈夫ですか!?」
「こ・・・これは・・・!?腕輪の故障?マナの繋がりが構築できていなかったの?でもそんなはずは・・・一体どういう事かしら!?」
俺はレイリティア様のその魂を自らに受け入れた。
彼女が眠りに就き、勝手に精神世界から現実世界に戻されるかと思いきや、何時になってもその兆候が見られずに途方に暮れかけた。
だが、『元の場所に戻りたい』と想うとあっさりと戻って来れた。
そうして元の場所に戻った俺だったが、現実世界ではほとんど時間が経っていないのか、周囲の皆は同じ位置に居たままだ。
しかしやはりトリップしていた様で、王女様とラルワさんが非常に慌てていた。
天草君達も心配そうに俺を見ている。
「あっと、すみません。はい、大丈夫です。・・・・自分は今どうなっていたのでしょうか?」
「貴方、今しがたの記憶がないの?これは本格的に術式の不具合かしら?こんな事は初めてよ・・・。いえ、そんな事よりも貴方、本当に大丈夫なのかしら!?」
「ウスイ様は先程、ほんの数秒ではありましたけれど、目の焦点があっておられませんで、ここに心あらずといったご様子でした。声を掛けても何の反応もなさらないので心配しました。そうしたら急に瞳と髪の色が・・・それにその色は・・・」
「色?」
精神世界では随分と時間が経っていたと思うが、こちらでは数秒の事だったんだな。
その間、トリップしていたのは間違いないだろう。
腕輪の故障と勘違いしているラルワさんには悪いが、神の精神世界へ行っていたことはまだ伏せておく。
しかし、どうやら俺の体に異変が起きている様だ。
指摘のままに、俺が自分の髪の色を確かめようとすると、セイバルドさんがサッと手鏡を差し出してくる。
流石だなと思いつつ、手渡された鏡の覗き込む。
そこに映し出されたのは、瞳と髪の色が金色になった自分の顔だった。
そう、その色は、先程俺の中に受け入れたこの世界の神、レイリティア様と全く同じ、黄金の色であった。
これは魂を受け入れた影響か?しかしこうも顕著に表面に出てしまうと・・・
「ブッ!アハハハハハハハ!課長!何スか?このステータス!マジ笑えるんスけど!?」
俺が自分の変化にどうしたものかと考えていると、それを遮る様に誠二が笑い出す。
そうだ、俺のステータスはどうなっているんだろう?
俺は目の前に浮かぶステータスを確認すると、それにはこう表示されていた。
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
【 名 前 】:ウスイ・セリヤマ
【 種 族 】:ヒューマン
【 ランク 】:1
【 ジョブ 】:召喚勇者
【 称 号 】:癒す者
【 ライフマナ 】:90
【 マジックマナ 】:90
【 ストレングスマナ 】:30
【 バイタリティマナ 】:30
【 アジリティマナ 】:30
【 デクステリティマナ】:30
【インテリジェンスマナ】:30
【 メンタリティマナ 】:30
【 エレメンタルマナ 】:30
【 スキル 】
全属性魔法・魔法同時展開・高速術式展開・真眼
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
おおう、ランクは1で、ステータスは全て100以下か。
スキルは以前とは全く変わっているな。
魔法系に特化している様に感じられる。
「全属性魔法って12属性すべて使えるって事!?しかも同時展開に高速化まで!効果は予測がつくけれど、こんなスキル初めて見たわ・・・!」
「凄いですウスイ様!正に!その髪と瞳の色にふさわしいスキルですね!やはり貴方様は特別なお人だったのです!私の目に狂いはありませんでした!」
褒めちぎる王国側二人に対し、誠二はその言葉に納得がいかない様子だ。
「はあ?なんで課長が凄いんスか?俺らに比べたら超低いじゃないっスか」
「そうね、確かにステータス値は少し、いえ、かなり低いわ。こう言っては何だけど、年端のいかない子供と同じくらいの数値ね」
「子供と同じ?じゃあやっぱり弱いんじゃないスか」
「確かに今は弱いと思う。でも、ランクもマナも、鍛錬や戦闘をしていく事で成長していくわ。それに引き換え、スキルは元々持っているものを育てる事は出来ても、新しいものを手に入れる事は難しいの。もし彼が貴方と同じランクになったとしたら、どれくらいの強さになるのか想像もつかないわ」
「それって大器晩成って奴っスよね?それなら課長が強くなる頃にはもう俺達で魔王討伐してるっスよ」
「・・・貴方、やけに食って掛かるわね。何がそんなに気に食わないのかしら」
いかん、ラルワさんの声のトーンが変わった。
俺は仲裁するべく二人の間に割って入る。
「まあまあ落ち着いて下さいラルワさん。誠二もだ。確かに誠二の言う通り、今の俺じゃあ何の役にも立たないだろう。まあ皆の足を引っ張らない様に精々努力するさ。しばらくはお荷物になるかもしれないが宜しく頼むよ。それに戦闘以外でも何か役に立てるかもしれない。とにかく、皆で協力して魔王を倒そうじゃないか」
「そうですね、私達が皆で協力し合い、共に戦って参りましょう。魔王を倒すためには召喚勇者の皆様のお力が必要不可欠です。どうかそのお力でこの国を、この世界をお救い下さいませ」
王女様の言葉に対して、誠二は軽く舌打ちをしたものの、『わかったっスよ』と引き下がってくれた。
「ありがとうございます。この世界の為、そのお力をお貸し下さる召喚勇者の皆様に、レイリティア様の加護があります様に」
加護どころか、そのレイリティア様の魂がこの身に宿っているんだがな。
なんせ俺は『神の器なる者』らしいからな。
そういえば、その表記が『癒す者』に変わっている。
さらに言えば、精神世界へ喚ばれる前はステータスも大概おかしいものだった。
しかし誰もそこに言及しない。
「俺の意識が飛ぶ直前に、これとは違うステータスが表示されていませんでしたか?」
「いいえ?私達が見た貴方のステータスはこれが初めてよ?皆もそうでしょ?」
ラルワさんが周囲に問いかけるが、誰もその言葉に否定はしない。
「貴方には違うステータスが見えたの?やっぱり腕輪がおかしいのかしら」
「ああ、いえ、きっと自分の気のせいです。変な事を聞いてしまって申し訳ありませんでした」
そう言ってラルワさんに頭を下げた後、俺は改めて自分のステータスを見る。
全魔法・魔法同時展開・高速術式展開の3つは言葉通りのスキルだろうが、真眼が良く分からないな。
何かを見抜く力だろうか?心眼であったなら心を読むとかそんなスキルだったとは思うがな。
なんにせよこの一連のスキルは、レイリティア様の能力の一部であろう。
魂が深く繋がることで、神としての力の一端を使える様になるかもしれないと言っていたからな。
本当にレイリティア様は俺の為に頑張ってくれたらしい。
これはお礼を言わないといけないな。
ありがとう、レイリティア様。
俺が心の中で彼女に感謝を告げると、心なしか胸が温かくなった様な気がした。
「大丈夫とは言うけどやっぱり心配ね。念の為、腕輪を交換しましょう。その腕輪に問題がないかも確認したいしね。ステータスを閉じて、解除をしてくれるかしら?」
俺の心の内を知らないラルワさんだったが、純粋に俺の事を心配してくれたのだろう。
腕輪の交換を申し出てくれた。
俺はラルワさんの指示に従い、交換された新しい腕輪を着ける。
当然だが、腕輪を変えてもステータスは変わらず、髪の色も元に戻ることはなかった。
「あの、すみません。芹山課長の髪や瞳の色がまた変わったのは私も驚いていますが、王女様はそれだけでない様に思えました。あの色は何か特別な物なんでしょうか?」
ステータス確認も一段落したところに、天草君が手を挙げて王女様に質問を投げかけた。
「はい、この世界では金の色というものは特別な色なのです。何故かと申しますと、この世界の神レイリティア様を象徴する色だからです。そして髪や瞳の色は、それぞれの持つマナの性質に影響されるのです。つまり、ウスイ様のマナはレイリティア様との親和性が高い、もしくは非常に強い加護や祝福を受けていらっしゃると思われるのです」
「課長に神様の加護が・・・ルゥナ様も金の髪と瞳をお持ちですが、それも神様のご加護を受けているからなのですか?」
確かに王女様も金色の瞳と髪だ。
だがそれは俺とは違い、金は金でもプラチナブロンドくらいの色である。
「私を始め、レイノース一族はレイリティア様の祝福を受けております。初代女王様がレイリティア様に直接、その祝福と加護を授けられた時に金の色に変わったとされています。以来、その血脈に連なる者の内、女性のみが金の色をしているのです。私は見ての通り、ウスイ様よりも薄い金色になりますが、初代女王様はレイリティア様と見まごう程の色をなされていたと伝えられています」
「女性のみ?男性は金色にならないのですか?ではなぜ課長が金色に?」
この質問に対しては王女様でなくラルワさんが答える。
「男性と女性ではマナの性質に差異があるからよ。体内を巡るマナの流れが逆なの。だから王族の女性にのみ発露するのは、初代様が女性だったからだと推測されているわ。彼が金色になったのは、王族に授けられたのとは違う加護を受けたからじゃないかしら?もしかしたら、彼の子孫は男性のみが発露するかも知れないわね」
「そうなんですか・・・なんだか不思議ですね」
うーん、俺の場合はレイリティア様の魂を受け入れているからだと思うから、彼女の傷が癒えて外に出れば、俺のは元に戻るんじゃないかな?
「マナの性質の話以外はすべて推測よ?神様のお力なんだもの。それは奇跡の様な物なのだから、私達にはわからない特別な仕組みがあってもおかしくないわ」
「あーあ、特別とか奇跡とか、芹山課長ばかりなんかズルいですね。私も若返りたかったし、そんな綺麗な髪の色になりたかったですよ」
「小鳥遊君・・・まあこればっかりは俺がどうこうできる物でもないから勘弁してくれないかな?それに俺はその代償か知らないが、君たちに比べかなり弱い。ここは日本と違って、力が弱い事はそれだけで生死に関わり易いはずだ。俺は子供並みの能力らしいしなおさらだな。そのリスクを考えると、俺の様にならずに済んで良かったのではないかな?」
「そう言われればそうですね。じゃあよかったです」
そう、俺は現在はとても弱い存在だ。
小鳥遊君への言い訳に使った言葉だったが、やはりそのリスクはかなりの物だと俺は危惧している。
もし誰かが俺を亡き者にしようと考えれば、今の俺は容易くやられてしまうだろう。
それこそが、俺が神を受け入れている状態にあることを皆に打ち明けない理由だ。
髪と瞳の色が金色になった事だけでもかなり危険な状態になったのではないかと思っているくらいである。
王国に申し出れば保護の対象にしてくれるかもしれないが、絶対とは言い切れない。
逆に不敬だと言われて処罰される可能性だってあるだろう。
まだ俺は、この国、この世界の事を全く把握できてないのだ。
身の安全を確信できるまでは、基本的にレイリティア様を内包している事は秘密にしておく方がいいだろう。
絶対に信頼できるという者を除いてはな。
「さあ皆様、そろそろ次の準備を致しませんと、お父様との謁見に間に合いません。謁見には諸侯の方々もお見えになります。皆様の事情は存じているでしょうが、やはり必要最低限の作法はあってよろしいかと思います。ですので、そちらをレクチャーさせて頂きますね。セイバルド、お願いします」
「かしこまりました」
「では私も準備がありますのでこれで失礼致しますね。また後程お会いしましょう」
そう言って王女様は退室し、ラルワさんもそれに続いていった。
そして残された俺達は、セイバルドさんに作法の手ほどきを受けたのだった。
◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆
俺達は謁見の間に来ていた。
今、俺達は赤い見事な絨毯の上に跪き、王が現れるのを待っていた。
俺が6人の中で一歩前に位置し、その後ろに5人が並んでいる。
ステータス的に筆頭は誠二でも良かったと思うのだが、『堅っ苦しい嫌だ』との事で、元々上司であった俺が代表して受け答えをするという形になった。
長く伸びる絨毯の左右には、王国の貴族や重鎮であろう方達が数十人整列している。
シンセルさんやラルワさん、バウゼン枢機卿の姿もそこにあった。
貴族の面々は俺達を見て何やら小声で話をしている様だ。
「彼らが今回の召喚勇者なのですな。なんでも6人の召喚は前代未聞との事ですぞ」
「長年召喚の儀が執り行われておらず心配しておりましたが、まだまだレイリティア様はご健在という事ですな。安心致しましたぞ」
「確かにそうですな。しかし、先頭にいる男のあの髪は・・・」
「うむ、伝え聞くレイリティア様の御髪と同じ色の様に思えますな。一体どういう事でしょうな?」
『国王様、王妃様、王女様がお越しになられます!!』
「おっと、ではまた後程」
貴族達の話し声も、近衛兵が告げる国王入場の言葉で一斉に鳴りを潜めた。
「面を上げよ」
重苦しい空気の中、俺達が頭を下げたまま待っていると国王様から声が掛けられた。
顔を上げると、檀上の玉座には、国王にふさわしい厳かな雰囲気を持つ男性が座していた。
その隣には王妃様、王女様が並んで座っている。
「余がレイノース王国第38代国王、フルド・コル・レイノースである。召喚勇者の方々よ、よくぞこのレイアノールにお越し下さった。まずは貴公らの名を教えてはくれぬか?」
「はっ、私はウスイ・セリヤマと申します。後ろの者たちは右手から・・・」
「セイジ・サトダです」
「・・・ユウマ・クドウです」
「レナ・タカナシです」
「ミキ・アマクサと申します」
「ア、アカネ・ツジでしゅ!」
辻君が緊張からか盛大に噛んだ。
後ろから「はうぅ~」と小さな声で泣き言が聞こえるが無視して話を進める。
「国王様。先に謝っておきたいことが御座います。私達はまだこの国へ来て間もない為、作法や礼節に明るくありません。何か無礼など御座いましてもご容赦頂けます様、お願い申し上げます」
「ふむ、そうであるな。・・・皆の者よく聞け。これよりこの場での彼らの言動に何か無礼があろうとも、すべて不問にする。些細な事で無礼だ不作法だなどと騒ぐ事のない様にせよ。ウスイ殿達も作法などは気にせず普段通りに喋るが良い」
おお、気の利く国王様だ。
最低限の作法はセイバルドさんから習ったが、細かい慣例やしきたりなんて知らないからとても助かる。
「ありがとうございます。お心遣い感謝致します」
「うむ、ではこちらからも貴公らへの頼み事を述べさせてもらおう。王女より聞き及んでいるとは思うが、貴公らにはこの世界の闇を統べる、魔王ネイアを討ち滅ぼして貰いたいのだ。そしてこの世界に平和をもたらして欲しい」
「はい、私達はレイリティア様に導かれここに来、そして魔王を討つ為の力を授かったのだと聞いております。であるならば、神の御心を無下にせぬ為にも、その役目を果たしたいと思っております」
俺の言葉に王様は満足そうに頷く。
「何とも良い心構えであるな。感謝するぞ。レイリティア様もさぞお喜びになられているであろう。無論、貴公らには王国からも可能な限りの支援をする事を約束する」
「ありがたき幸せに御座います。王国の援助を頂けるのであれば、私達は何も心配する事はないでしょう」
「そうであるか。次は貴公らのステータスについてだが、過去の召喚勇者達とは一線を画すものだと聞き及んでいる。それは真か?」
「はい、先だって、王女様とラルワ宮廷魔術師団長様の立ち合いの元、ステータスの鑑定をさせて頂きました。私達の中で最もランクの高かった者はセイジです。ランクは240で御座いました。他の者も負けず劣らずの力を有しているとの結果でした。私は他の者に比べランクが劣っているのですが、ラルワ宮廷魔術師団長様に言によると、とても珍しいスキルを所有しているとの事です」
「ほう、それは本当か?ラルワ宮廷魔術師団長よ」
「はい、本当で御座います。この目で確認致しました。ウスイ殿は12属性全ての魔法を扱える上、魔法の同時展開、さらに高速展開が出来るスキルをお持ちです」
ラルワさんの言葉を聞いて、諸侯がざわつく。
「静かにせよ。・・・うむ、個人が12属性の魔法を使えるとは聞いたこともない。にわかには信じられん。が、私の信頼するラルワ宮廷魔術師団長の言葉だ。それは真なのであろう」
「もし宜しければステータスの表示を致しますが」
俺がそういうと再び諸侯がざわついた。
「皆の者、静かにせよと言っている。先にも申した筈だぞ。無礼は不問にするとな。・・・すまんなウスイ殿。ここでは魔法や魔道具の類は使用できぬ決まりとなっておるのだ」
「それは・・・知らぬ事とは言え大変失礼致しました」
言われてみれば確かにそうだな。
謁見の最中に魔法や魔道具の使用を許可してしまえば、危険極まりないだろう。
魔法で直接攻撃されるかも知れないし、呪いの魔道具を使われたりもするかも知れない。
王族を守る為にも当然の決まりであると言えるな。
「良い。この事はそれを伝えておらぬこちらに非がある。許してくれ。ステータスやスキルはまたの機会に見せてもらう事にしよう。では、最後にもう一つ聞こう。ウスイ殿、貴公のその髪と瞳の色についてだ」
来たな・・・流石にこれはスルー出来る事じゃないか。
「はい、私がこの世界に来たときは白髪黒眼であったのですが、ステータス鑑定をした際に突然この様な色に変化致しました。申し訳ありませんが原因は私にはわかりません」
「そうであるか。ラルワ魔術宮廷師団長は心当たりはないか?」
「はい、髪と瞳の色はマナに影響を受けるもの。そしてウスイ殿のその色はレイリティア様を象徴する黄金の色そのもの。恐れながら、ウスイ殿はレイリティア様のご加護を受けられたのではないかと存じます」
「うむ、余もそう思うぞ。ウスイ殿にはきっとレイリティア様のご加護があるのだろう。そうであるのならば、ウスイ殿の持つという稀有なスキルにも納得がいくというものだな」
「はい、陛下の仰る通りです」
原因がわからないなんて大嘘だったが、特に追及も来なかったので助かった。
どこでボロを出すかわからないからな。
しかしこれで間違いなく、貴族の面々や神殿関係者に俺が特別な存在であるだろうという事が知れ渡った。
ランクが1で能力が子供並みである事はぼやかすことは出来たし、強力なスキルを持っているという形に出来ているが安心はできない。
何もないと良いんだが、警戒しておくに越したことはない。
「うむ。ならばウスイ殿をはじめとした召喚勇者の方々よ、レイリティア様より受けしその加護と力を持って、この世界の為に尽力してくれる事を期待しておるぞ」
「はい、力の限りを尽くさせて頂きたいと思います」
「宜しく頼むぞ。では謁見はここまでにしよう。今宵は貴公らを歓迎する晩餐会を開く事にする。その時にでもまた貴公らの事を教えてくれ。諸侯の皆も参加せよ。国を挙げて神の加護を受けし勇者達を歓迎するのだ」
こうして俺達の国王様との謁見は終わったのだった。