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この作品には 〔残酷描写〕が含まれています。
苦手な方はご注意ください。

本当は残念な白雪姫

作者: galfeed

ベースは怖い方(グリム童話)の白雪姫なので、少々残酷なシーンが含まれます。

王妃様ちょっとどうよ?と思い書いてみました。

今回はプロットというかネタを用意せず筆の乗りに任せて書きました。

拙いとは思いますが、少しでも楽しんでいただければ幸いです。


むかしむかしある国に、白雪姫と名付けられた王女がいました。

その母である王妃はいい歳して鏡に話しかける痛々しい王妃で、度々鏡に話しかけます。

「鏡よ鏡、この世で最も美しいのは誰?」

「それは貴女です」

そう答える魔法の壁掛け鏡に、王妃は満足な日々を送っていました。


しかし白雪姫が7歳になったある日、王妃が

「鏡よ鏡、この世で最も美しいのは誰?」

と鏡に訊ねると、次のような答えが返りました。

「それは白雪姫です。 ロリ最高!」

鏡のストライクゾーンは7歳からでした。


7歳児への嫉妬に身を焦がす王妃は猟師を呼び出し、命じます。

「白雪姫を森へ連れて行き、殺して証拠にレバーとハツを持って来なさい」

言い方もうちょっと何とかならないのか...と思いましたが猟師は王妃の命に従い白雪姫を森へ連れ出します。

しかし憐れに思った猟師は、白雪姫を殺さずに森の中へ置き去りにしました。

代わりに持ち帰った猪のレバーとハツを王妃に見せると、王妃は大喜びで塩茹でにして食べました。

持ち帰った猟師も、茹でさせられた宮廷料理人も、口にせざるを得なかった毒味役もドン引きです。


一方その頃、森に残された白雪姫は、森に一人残されたことが怖くて駆け出し、7つの山を越えて小さな家を見つけます。

7歳児、逞しすぎ!

山越えで流石に疲れた白雪姫は、疲れを休めるため中に入りました。

家の中の物は何でも皆小さな物ばかりでしたが、それを疑問に思うよりもテーブルの上に気をとられます。

テーブルの上には7人分のスープとパン、ブドウ酒の杯があったのです。

大変お腹が空き喉も渇いていた白雪姫は、それぞれから少しずつ食べて飲みました。

子どもにお酒、ダメ!

7歳児が空きっ腹にアルコールを飲んで、もう歯止めなんて効きません。

何故スープを作り杯にブドウ酒まで注いだ状態で放置してあるのか気にする余裕もありません。

1つ1つが小さいこともあり、白雪姫は7人分を完食します。

歩き疲れたところでお腹いっぱい食べ、お酒もまわった白雪姫は、7つ並んだ寝床へ行き、1つ目の寝床に入ります。

一瞬で寝落ちしました。

そして7歳児の寝相の悪さで7つ全ての寝床を蹂躙するのでした。

これはヒドイ。


日が暮れて、この小さな家の住人たちが帰ってきました。

7人の小人たちです。

小人たちが中に入りランプに火をつけると、不法侵入があったことに気付きます。

空っぽのお皿と杯しか残っていないテーブルに哀しい気持ちになりながら見回すと、寝床に可愛い7歳児を見つけます。

「幼女キター!!!」

小人たちは大喜び。晩飯抜きの哀しみは消し飛びました。

そして7歳児はそのまま寝かせておくことにし、6つの寝床に7人が詰めて寝ました。

Yes■リータ!Noタッチ!!


翌朝、小人たちが

「お嬢さん、名前はなんて言うのかな?ハァハァ」

と訊ねると、

「しらゆきひめなのです」

と7歳児は答えました。

「どうして私たちの家に入ってきたのかね?ハァハァ」

「そこにいえがあったからなのです」

登山家か。

7歳児相手の質問の仕方ではなかった...と反省した小人たちは、注意深く話を聞いて白雪姫が森に捨てられたことを聞き出しました。

そして

「もしもお嬢さんが家の中の仕事を引き受けてくれるなら、家においてあげるよ。ハァハァ」

そんな小人たちの提案で、白雪姫は小人たちと暮らすことになりました。

まさか7歳児に家事一切ができるとは思っていませんが、おそらく城には戻れないだろう白雪姫の将来を考え、一通りのことはできるようになっておいた方が良いだろうと、色々教え込むつもりです。

不法侵入されて夕飯を食べ尽くされたのに、やたら親切なロリコンどもです。


そうして白雪姫が小人たちと健全な生活をしているとは知らない王妃。

ある時また鏡に向かって言いました。

「鏡よ鏡、この世で最も美しいのは誰?」

「それは白雪姫です。 ロリは至宝!」

王妃は驚きながらも、すぐさま白雪姫を殺す新しい手を考えます。

なお、猟師は王族誘拐と殺害の罪で処分済みです。

王妃の命に従わなければやはり処分なので、王妃に目をつけられた時点でアウトでした。

ヒドイ。


王妃は新たな策として、自ら老婆に扮して紐売りとして白雪姫のところへ向かいました。

白雪姫の居場所は魔法で突き止めました。

魔法、便利!


小人たちが働きに行き、白雪姫が一人で留守番していると、戸をトントンと叩かれます。

7つの山を越えて疲労困憊、木の枝を杖代わりにようやく立っている有様の王妃はどう見ても腰の曲がった老婆だったので、白雪姫はそれが王妃とは気付きません。

王妃様、見事な扮装です!

この世で最も美しくないと気が済まない王妃様、ナイスババア!

しかし今の王妃には自分を客観的に見る余裕がないので、アイデンティティは崩壊しません。

「上等できれいな良い紐があるのですが、お買いになりませんか?」

「わたし、おかねもってないのです」

王妃様の策、失敗!

森に捨てられた7歳児が上等な商品を買うお金を持ってるなんて、どうして思ったんでしょう。

王妃様、頭の中までババアになったの?

「お嬢さんには良く似合うでしょうから、タダでいいですよ!」

「いいの? ありがとう!」

箱入り娘な7歳児が相手なのでギリギリ騙せました。

「さあ、私が結んであげましょう」

そう言って後ろに回った王妃はその紐で白雪姫の首を絞め、息ができなくなった白雪姫は死んだように倒れました。

「さあ、これで私が一番だ!」

そう言って王妃は意気揚々と…する体力は残っていないので、よろよろと木の枝を杖にして帰りました。

もう演技しなくてもいいのに、王妃様、ナイスババア!


ナイフとフォークより重い物は…もとい、木の枝より重い物は持ったことのない王妃では、絞殺しきる力は無く、しばらくすると白雪姫は息を吹き返しました。

そうとは知らぬ王妃は、城に帰り着くとウキウキしながら鏡に訊ねます。

「鏡よ鏡、この世で最も美しいのは誰?」

「それは白雪姫です。 ロリは正義!」

「なんでだよ!」

王妃はムキになって次の策を練ります。

「次こそ殺してやる」

そう言って王妃は魔法を使って、特性の毒を塗った櫛を作ります。

前とは違う老婆に扮装して、再び白雪姫のところへ行った王妃。

今度も白雪姫は老婆の正体に気付きません。

王妃様、ナイスババア!

「良い櫛がありますが、お買いになりませんか?」

「わたし、おかねもってないのです」

学習力無いのか。

「では今だけ! 今だけタダでこの櫛で髪を梳いてあげましょう!」

「いいの? ありがとう!」

白雪姫、お前もか。

そうして毒櫛を髪に通すと、白雪姫はその場に倒れます。

「今度こそ死んだだろう」

そう笑いながら王妃は城へ帰るのでした。


夕方になり小人たちが帰ってくると、倒れ伏している白雪姫を見つけます。

駆け寄った小人の1人が髪に通ったままの櫛に気付き引き抜いてみると、すぐに白雪姫は息を吹き返しました。

魔法の毒、弱っ!


城に帰った王妃は、またまた鏡に訊ねます。

「鏡よ鏡、この世で最も美しいのは誰?」

「それは白雪姫です。 小学生は最高だぜ!」

王妃はあまりの苛立ちに震えました。

「次こそ、次こそ殺してやる」

今度は毒の上に毒を塗り重ねたリンゴを用意した王妃は、再三白雪姫のところへ向かいます。

「美味しいリンゴがありますが、お買いになりませんか?」

「わたし、おかねもってないのです」

例によってお金を持っていない白雪姫に、王妃はタダでリンゴをあげます。

リンゴを貰った白雪姫は、表面を丁寧に水で洗い、ナイフで器用に皮を剥きます。

小人たちの教育の賜物です。教育って大事!

あああ、毒が...と思う王妃ですが、まさか口に出すわけにもいきません。

失意のババアもとい王妃様の目の前で白雪姫がリンゴを一囓りすると、突然バッタリと倒れ、動かなくなりました。

よく分かんないけど死んだっぽい白雪姫の様子に喜び、王妃は城へ帰ります。


そして夕方になり帰ってきた小人たちは、またも動かぬ白雪姫を見つけます。

今度は櫛のように分かりやすい異常は見つけられなかった小人たちは、ピクリとも動かぬ白雪姫の姿に三日三晩泣き暮らし、その後、ガラスの棺に白雪姫を寝かせて山の上に安置しました。


ある日、森に迷い込んだ某国の王子が、ガラスの棺とその番をする小人を見つけました。

棺の中を覗き込むと、可愛い少女の姿が見えます。

「この棺を私に譲ってくれないか?」

「や、これ死体ですよ?」

小人たちドン引きです。

「だがそれがイイ! ハァハァ」

いかにもヤバそうな王子の様子に怖いものを感じて、小人たちは棺を王子に譲ることにしました。


王子が譲り受けた棺を家来たちに命じて運ばせていると、家来の一人が木の根に躓いて棺を落としてしまいました。

すると白雪姫の喉に詰まっていたリンゴが弾みで飛び出し、少しして白雪姫が意識を取り戻しました。

三日三晩無呼吸で生きてるとか、不思議ですね。

たぶん魔法のせい。

魔法、便利!

動かぬ白雪姫にすら魅了された王子には、動き出した白雪姫の姿はまるでキラキラと輝いているように見えました。

それ、たぶん割れたガラス棺の細かい破片が全身に降りかかってるせい。

死体じゃなくてもイケる王子はこれに喜び、白雪姫を妃として迎え入れました。


「鏡よ鏡、この世で最も美しいのは誰?」

「それは隣国の妃です。 ロリ人妻! NTR! NTR!」

白雪姫とは答えなくなったものの自分とも答えない鏡を睨み付ける王妃は、ようやく気付きます。

浅知恵しか出てこない頭で悩み悩んでもはや定着した眉間の皺。

無茶な老婆メイクによる肌荒れ。

そして7つの山を3往復した汗で崩れたメイクに浮かぶ悪鬼の如き表情は、世界一には程遠いものとなっていたことに。


ほとんど心折れながらも隣国の妃を一目見んと王子の結婚式に出席した王妃は、真っ赤に焼けた鉄の靴を無理矢理履かされ死ぬまで踊らされました。

このことが呪いの赤い靴伝説になったとかならないとか。

なお、鉄靴は誰の発案かと皆が残虐行為にビビリましたが、王子夫妻はやんわりと微笑むばかりで真相は闇の中です。


こうしてネクロフィリアの王子様と結ばれた白雪姫は、幸せに暮らすのでした。

めでたしめでたし。


誤変換で猟師が漁師になったのでそのままネタに使おうかと思ったものの、

最序盤でやらかすには少々はっちゃけすぎかと思い没にしました。

「AT○Kのせい」などと言ったら怒られそうで日和ったとも言います。


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