第53話 鎮静(2)
「サ、サラやめなさい! 貴女迄何で、こんなに冷静さを欠いて、ウォンを攻撃するの!? それも一番殺傷能力の高い攻撃魔法を使用して! ウォンは赤の他人じゃないのよ! 一族の者なのよ! だからサラ~! 今直ぐ魔法攻撃をウォンへと撃つのは辞めなさい!」と。
「ウルハも、自身の腕に火の付いているウォンを足蹴りにしないで、お願いだから」
アイカはバカだからサラに、僕は赤の他人だから死んでも別に構わない。
変わりとなる男ならいくらでも用意ができる。
でもウォンは、自分達と血の繋がりがある男性だから、殺してはいけないのだと、でも言いたい口調で、二人へと下知をくだしたらしい。
「アイカ姉のその言い方だと。健ちゃんは他人だから殺し、殺されても構わない。でもウォンやその他の者達が、健ちゃんに殺されるのは我慢ができないんだ! アイカ姉はぁっ!」
アイカが詰まらないこと……。
まあ、余程元彼、許嫁、婚約者だった男が好きだったのだろう。
ああ、本当に気持ち悪い。
あの二人は……。
まあ、今更どうでもいいけれど。
あの二人は……。
でもさ、アイカの奴は、ここまでサラに、自身の想いを指摘されても。




