第672話 兵糧攻め後半(7)
「……只閣下……。今日は何だか敵兵の様子が可笑しいと言うか? いつもは百人から二百人ぐらいの単位で奇襲を決行してくる敵兵なのですが。今日の敵兵の数はどう見ても二十人から三十人ぐらいの兵士の数でして……。いつもの十分の一ぐらいの兵なので、皆が可笑しい? 可笑しい? 何か変だ? と騒いでいるのですが。一体どういたしましょうか?」
警備兵はフォンジ卿へと困惑しながら事細かく説明をした。そして尋ねた。
だからフォンジ卿も警備兵からの話を聞き、直ぐに考える人へと変化をして「う~ん」と呻り、少しばかり思案をすると。
フォンジ卿もウィグル帝国を代表する領主であり、古参の将軍だから。
やはりこれは可笑しい? と思い。
こちらへと襲ってきた敵兵は誘導であり、本体は玉砕覚悟で僕の陣を襲うか?
それとも僕がゴロゴロと転がる砦を襲ってきた兵達も囮である可能性が大……。
もしも僕の砦を襲ってきた敵兵の中に、敵の族長雷神ライがいないようならばライザの集落まで、民を引き連れ逃亡を計った可能性があると。
フォンジ卿は警備兵へと僕宛に狼煙を上げ、リレーで知らせるように指示をだしてくれた。




