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第671話 兵糧攻め後半(6)
だからちょっとフォンジ卿の口から。
「……う~ん、ぷは~、本当にこれは美味いな~。喉がシュワシュワするから喉越しもよく、本当に美味い! 美味い! わっ、ははははははは」と。
ライ達の集落の民の喉の渇きを和らげていた小川で冷やし、よく冷えた。アルコール度数ゼロのホップ酒を飲みながら、ロベルトさんと仲良く会話をいつものようにしてたのしんでいたら。
ここつい最近の流行りと言うか? 行事? 風物詩と言った感じで。
「閣下ー! 敵兵ですー! 今日も水を汲むための決死隊が現れましたー!」と。
見張りの兵がフォンジ卿へと報告──指示を仰ぎにくるから。
「……本当にここは休む暇もないぐらい忙しい場所だな……」と。
フォンジ卿はロベルトさんへと苦笑いを浮かべつつぼやけば。
「──直ちに敵兵と弩にて攻撃ー! 相手は一応は前王の身内だから殺すなよ! 威嚇だけでいい」と、今日も指示をだすから。
「──はい! わかりました! 閣下! いつものように処理をしておきます!」と。
護衛兵もいつもの出来事だから、馴れた様子でフォンジ卿へと了解しました言葉を返すのだが。




