第7話 僕の異世界での新しい家族(4)
僕の盛大なモーニングコールによって駄女神シルフィーは取り敢えず目を覚ました。
まあ、阿保は覚ましてくれたけれど。
「はぁ~」と自分の身体に掛けていた毛皮……。この世界の生き物……。動物……。多分毛皮の柄からしてネコ科の大型動物ではないか? と思われる生き物の毛皮を自分で剥ぎ取り、上半身を起こして……。
まあ、コイツ! このひとの魅惑的な容姿……。
そう映画やドラマのような裸体での両腕を伸ばしての伸びと……。可愛い欠伸を僕に披露すれば。
「うふっ」とシルフィーの奴は妖艶に薄ら笑いを浮かべながら僕を見て、
「あなた~。もしかして~。朕の妖艶な麗しい容姿を見て大きくなっちゃった~?」
と、阿保が! 駄女神が!
僕に『あのなぁ~、お前~? 頭大丈夫か~?』と言われそうなことを告げた後に。
「うっ、ふふふ」
と、また妖艶に笑うものだから。
「なるか~!」
僕はシルフィーへと叫んでやった。
「えぇ~、何で、あなた~。まだ新婚なのに~?」
シルフィーの奴は夫である僕がアイツの裸体に反応を示さないから、『ブゥブゥ』と畑を荒らしにくるイノブタみたいに不満を告げるけれど。
「あのさ~、シルフィー?」
「何、あなた~?」
「僕は毎晩、何人の奥さまを愛していると思っているんだ?」
僕は、こう言う時だけは本当に可愛くるしい顔をしながら首を傾げる、日本人が大好きなエルフの女神さまへと尋ねた。
「えっ! 何人でしょうかね~?」
この国! この領地! この集落で女王に次ぐ権力を持つ司祭が知らないと言えばうそになるから。
僕は『チャラリン~♪』だよ。
シルフィー……。お前の悪事はここまでだ……と必殺のノリで、自分が持つフライパンとフライ返しを床に投げると。
そのまま『ガル、ルルル』とシルフィーへとダイビング──! 阿保に飛びつけば、シルフィーの奴が毛布や掛け布団代わりに使用している毛布を頭に被せると、こいつの頭をワシワシとグシャグシャにして毛皮を剥ぐと。
「もう~、あなたは~、酷い~。朕の髪の毛がぐしゃぐしゃになったではないですか~」