第594話 火計開始! (1)
「フォンジ卿の援護も兼ねて火をかけるぞ、皆……」
敵の伝令や伏兵……。もうそれこそ? 各集落の連合を阻止するために、こちらの視界を広くするための火計が僕の義理の兄になるボーンの指示で始まる。
「皆、周りの注意を怠るなよ! いくらミィ様が上空で偵察をしてくれているとしても。これだけ木々が覆い茂っていると敵の強襲は避けられん! だから気を許すな!」
僕の義理の息子になり以前よりも覇気! 士気もあがり、将軍さまらしくなったバーンが自分の実兄の隊の援護に対して、兵達に気を抜くなと指示をだせば。
「はい!」
「ほい!」
「隊長、頑張ります!」
バーンへと威勢よく声を返せば。
「ば~か、お前~。俺達の上司は陛下の姫様を嫁に頂いて将軍様に昇給したのだぞ! だからバーン隊長ではなく。バーン将軍様だろうが。お前失礼だぞ!」
「そうだ!」
「そうだ!」
「確かに」
「お前なぁ~」
バーンの家臣達は自分の上司は僕の義理の息子になり、只の付き人や護衛隊ではなく。新たに結成された国王親衛隊の将軍様になった、のだから【隊長】と呼ぶのは失礼だと不満……。
それも笑いながら自分達も役付き……。そう今後は自分達が中世の日本で言う、足軽頭や侍大将になるのだろうが、と嬉しそうに告げると。