第568話 逃走(10)
余りにも僕の妃らしくない振る舞いになるのかな?
僕の妃は基本──武に秀でたじゃじゃ馬、暴れ牝馬……。遠い昔の昭和と言われた時代のアニメ、マンガの主人公……。【ダメお〇じ】に登場する鬼婆みたいな、かかぁ天下みたいなお后さま達ばかりだからね……。どうなのだろうか?
それにさ、ヒビキさんは何か勘違いしていると思うけれど? シルフィーの奴は全然お淑やかで控え目な大和撫子タイプの女性ではないから。
だってシルフィーの奴とアイカは別の世界で本当ならば暮らす予定だった姉妹ではなく、同一人物だよ。
だからアイカと一緒でシルフィーの奴も攻撃的だから、僕と夫婦喧嘩でもしたら。以前僕とプラウムが魔法で夫婦喧嘩したように、あの駄女神を強引に取り押さえることにも。僕は本当に苦労するぐらいだからね。
それにさ、ヒビキさんは知らないのだろうけれど。僕がまだこちらの世界へと駄女神さまに誘われ、召喚される前に、あのウォンさんでさえ、シルフィーに夜這いをかけ、敗走……。勇気ある撤退をしたことがあるぐらい、アイツは傍から見ればおっとりとしているように見えるけれど。かなりの武闘派だから、ヒビキさんは本当に何か勘違いをしていると思う。(笑)
と説明したところで、話しを元に戻すけれど。