第523話 高祖様の危惧! (3)
「王が王都に不在なのに、女王まで不在になれば王都の民が動揺し、困惑して、パニックになる恐れがありますから、朕は女王らしく陛下の留守を守るために、この神殿へと残ります。それがあのひとの妻としての役目ですから、お爺さま……」
「そうか」
「はい」
いつもはへらへらして、彩やお祖父さまの提案を『はい、はい』と重臣達の目の前で安易におこない。まさに雛人形のお雛さま化している孫が、実は駄目な女王陛下を装っていただけだとお祖父さまは気がつきこれ以上は孫に逃げれと強要する行為を辞め。
「じゃ、儂も神殿の頂上で、敵と孫達の戦の様子を窺うかの」と告げ。
「シルフィー」と声をかける。
「何、お爺さま~?」
シルフィーはブルーレイのポータブルプレイヤーの画面を見る行為を辞め、お祖父さまへと視線を変え、首を傾げる。
「いや~。シルフィー、お前は女王陛下なのだから、映画を観るのは辞めて、戦の様子を眺めている方が儂は良いと思うぞ?」
お祖父さまは、自分の孫が退避しないとわかれば、ちゃんと女王陛下らしく振る舞えと、またいつものように一言多い言葉を告げ、我が家の駄女神さまを諫めるのだった。
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