第486話 婚約? (6)
「沙紀、あんた~、今日から父ちゃんが世話をしている、この兄ちゃんの嫁だから~」
娘の沙紀の問いかけに対して、相変わらず自身の括れた腰に手を当て──。自分のプロポーションの良さを僕に魅せつける、メロウが周りに居る者達が。
「えぇ~~~!」
「嘘~~~?」
「マジか?」
「本当か~?」
「本当なのですか~?」
「か、閣下……?」
「メロウさま~、今の姫さまへの御言葉は本当なのですか~?」
と驚嘆するだけではなく。最後にはバーンやミュイーの奴も自分達の目が飛び出るほど驚いて──。ヤンキー母ちゃんへと尋ねてしまうぐらいのことをメロウへと告げても僕はここでは驚くことをしないで、「あっ、ははは」と笑い。
僕も沙紀が呼ばれた時点で『婚約話かな?』と直ぐに思ったから。まあ、後はメロウと沙紀に任せようと思いながら。
僕の可愛い姫さまの一人──沙紀の様子を窺うと?
「うん、母ちゃん、わかったよ」
沙紀は母親が決めたことに対してあっさりと了承……と言うか? 我が一族との繋がりを濃くしたい家へと嫁にいくようになると言うことを多分、幼い頃から母親から教育を受けていたのだと思う?




