第433話 高祖さまの夢(6)
「うむ、そうじゃのぅ……。女王陛下と宰相閣下と共に我が国初の軍港を見てみたいもんじゃのぅ。あっ、ははは」
お祖父さまは僕の話を聞き、眉間の皺がとれ笑い始める。
「僕の口から言っておきましょうか、二人に? 我が国最大の城郭都市に高祖さまを案内するようにと?」
僕はやっと機嫌がよくなり、和やかな雰囲気へとかわったお祖父さまに対して満身の笑みを浮かべながら告げる。
「それはいいことかも知れませんね、長老さま……。私の父も陛下の御造りになられた城郭都市や天守のお城には『凄い』と感心していましたから、長老さまも足を運ばれればきっとお気に召すと思いますよ」
僕の言葉に続くようにミィヤーが自身の父であるフォンジの親父さまの感想をそのままお祖父さまへと告げると。
「ほう、フォンジ殿の以前の領地も確か町を木の杭等で囲った城塞都市だった筈なのに。それでもフォンジ殿が感心されると言うことは、婿殿の領地のお城は余程素晴らしい物なのであろうな……。それは楽しみな事じゃわい……」
お祖父さまはミィヤーの説明を聞き、更に上機嫌へとなってくれた。
だから僕は更にホッとして胸を撫でおろすのだった。
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