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第42話 僕は漢王だけれど神輿なので陰口を叩かれる日々が(2)

 そう、いくら僕がこの集落の《《男王》》だとしても関わり合いになりたくはないのだと言った感じで、慌てて小川から立ち去るから。


 僕も最初の頃は、『何故だろう?』ぐらい、にしか思っていなかった。


 でも僕の身に奇妙な出来事が起こるようになってから数週間もすれば。僕が洗濯をするために小川へと向かっていると《《誰かさん》》のことを中傷……。批判している会話が僕の耳へと入るようになる。


「クソ~! あのチビ! 未だガキの癖に俺達の酋長姉妹を全部、根こそぎ嫁にして本当に歯痒いな……」

「ああ、確かに……」

「歯痒いな……」

「特に俺はプラウムの事を愛していた……」

「ああ、俺だってプラウムの事が好きだった……」

「俺はツンツンしているが、何時も凛々しくカッコ好いからエリエの事が好きだった…」

「ああ、俺も、あのツンデレぽい所があるエリエの事を気に入っていた……」

「俺は、あのキャピキャピと可愛らしいサラの事が気に入っていたよ……」

「ああ、俺もサラ派のサラ推しだった……」

「糞ったれめ! あの糞ガキが! 絶対に俺は許さねぇ……。弱い癖に家の領地の可憐な一族を根こそぎ持って逃げやがって、俺はあのチビを絶対に許さねぇからな……」と。


 アイカさんの領地で一番だらしなく、弱い男……。


 そう、何の取り柄もない僕がアイカさんの一族の美女達を根こそぎ嫁にしたのだと。


 僕が、心当たりがないことに対しても殺害したいほど憎いのだと言った陰口を。僕は男だけれど、お婆さんとなって川へと洗濯……。


 それも洗濯場までいくまでにいつもアイカさん達の義理のお姉さんや妹達さん達……。従姉妹さん達の汚れた衣服や下着を強引に篭に詰められつつ、オークの漢戦士達には僕への陰口を叩かれるのを耳にしながらドナドナと洗濯場へと向かう日々が続いた。


 しかし漢王である僕自身もこのままではいけないと思い、努力をしてみようと思うのだった。



 ◇◇◇


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