第40話 洗濯屋健ちゃん? (15)
僕が、お婆さんが洗濯ではなく、お爺さんが洗濯へとなり、小川の洗い場へと足早に進む──。
そう僕の容姿を集落内の女性達の目につかないようにしつつ向かっていてもさ。
「よう、男王」
と、僕はオークのアマゾネスの人達にニヤニヤと薄気味悪く笑いながら声を次から次へと声をかけられ。
僕自身の顔を引き攣らせつつ真っ青な顔で立ち止まれば。
「今日も洗濯物頼むよ……」
僕は声をかけられ。
「えっ!」と驚嘆しようが。
「あっ、うちのも……」
「あたしの、もだ……」
「今日はこれも頼むね……」
やはり僕はいつもの日常業務のようにアイカさんやエリエさん……。プラウムさんにサラさんと……。
そして僕をこの世界へと召喚、阿保女神シルフィー以外の女性以外の衣服や下着の汚れ物を彼女達にこの後も次から次へと声をかけられつつ洗濯物を篭へと入れられる虐めに遭う……。
でッ、中にはさ、自分達の衣服や洗濯物だけではなく、何処から手に入れたのかわからない布おむつ……。
そう僕の子供ではない赤ちゃんの布おむつや、酷い時には赤ん坊の面倒まで、父親のように世話をさせられる虐めにも遭い続ける日々が今日も続いているから話を少し戻して冒頭シーンへと戻るけれど。
僕は今日もウルハさんやオークの傾奇者……。
そして今は集落内のオークの、普通のアマゾネス人達も僕が背に担ぐ洗濯篭へと衣服、下着、おむつまで投入してくるから。
「うわぁ、ああああああああああああっ! みなさん~! 許してぇ、えええええええええっ! 勘弁してぇ、えええええええええっ! お願いします~~~!」
僕は集落のオークの女性達大半に対して何一つ悪いことなどしていないのに洗濯と言う名の罰を与えられ虐められているけれど。
それでも男王の僕は不満を漏らしつつも主夫業をオークの男性達よりもよくするみたいだから。
オークのアマゾネスの人達は僕のことを褒め称えてくれる。
だから集落内に住むオークの若い男性達はいい顔をしないから。僕のことを冷たい目で見るようになるから。僕は集落内で段々と孤立をしていくのだった。
◇◇◇




