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第351話 御后様達への当てつけ (9)
でッ、下げ終えればシルフィーの奴は、僕の耳許へと自身の艶やかな唇を当て──。
「陛下~、夫婦の営みの数を減らしたら許しませんからね~」と、僕に釘を刺してきたから。
「う、うん。それはわかっているよ。大丈夫だから」と、にへらと笑いながらシルフィーへと告げれば。
「じゃ、よろしいです」と。
「陛下の好きにしなさい」と。
我が家の筆頭奥方さまが納得したから。その他の奥方達も、僕に不満のある顔をする行為を辞め。
「健太~」
「健ちゃん~」
「御方~」
「あんた~」
「殿~」
「帰りましょうか|?」と。
みなが仲良く僕へと、帰宅を促すから。
「うん、わかった……。戻ろうか……」と。
僕は元義父の領地だった場所、町へと向かうための進軍を始める。
◇◇◇
(第2章 完)




